オーメン (2006年の映画)

2006年版『オーメン』：666の呪いと、運命に翻弄される家族の物語

2006年公開の映画『オーメン』(原題:The Omen)は、1976年に公開された同名映画のリメイク作品として、世界中で大きな話題を呼びました。特に、ヨハネの黙示録で獣の数字とされる「666」という数字に合わせ、2006年6月6日に全世界同時公開されたという点も注目を集めました。邦題は『オーメン666』となっています。

呪われた子供、ダミアン

物語の中心となるのは、アメリカ人外交官ロバート・ソーンとその妻キャサリンです。妻の妊娠中に悲劇に見舞われた彼らは、病院の勧めで、死産した子供に代わる養子を迎えることを決意します。その養子が、後に恐るべき運命を背負っていることが明らかになるダミアンです。

一見、幸せな家族のように見えるソーン夫妻ですが、ダミアンを養子として迎えた後、彼らの周りで次々と不気味な出来事が発生し始めます。それは単なる偶然の出来事なのか、それとも何者かの仕業なのか。観客は、徐々に明らかになる真実と、ダミアンの正体に恐怖を感じることになります。

豪華キャストとスタッフ陣

本作には、[リーヴ・シュレイバー]、[ジュリア・スタイルズ]、[シーマス・デイヴィー＝フィッツパトリック]など、実力派俳優たちが名を連ねています。日本語吹替版も、東地宏樹さん、麻生侑里さん、矢島晶子さんなど、ベテラン声優陣が担当し、作品の世界観をさらに深く堪能できるものとなっています。

監督はジョン・ムーア、製作にはジョン・ムーアとグレン・ウィリアムソンといったハリウッドを代表するスタッフが参加し、高いクオリティの映像と演出で、観客を緊迫感あふれる世界へと誘います。音楽はマルコ・ベルトラミが担当し、緊張感と恐怖感を高める効果音と共に、作品に深みを与えています。

オリジナルとの比較と、制作秘話

本作は、オリジナル版『オーメン』へのオマージュとリスペクトを払いながらも、現代的な解釈を加えたリメイクとして制作されました。しかし、脚本の段階では、オリジナル版にあまりにも似通った内容になってしまったため、脚本家の名前はクレジットされず、別の人が脚本を担当することになったという経緯もあります。

また、オリジナル版の撮影で使用されたギルフォード大聖堂は、本作の制作に際し、ネガティブなイメージが定着していることを懸念する声も上がっていました。大聖堂の司祭は、リメイク版の公開に反対する声明を発表するなど、制作過程においても様々な出来事がありました。

興行的な成功と、その後の影響

2500万ドルという製作費に対し、全世界で約1億2000万ドルという興行収入を記録するなど、本作は商業的にも大きな成功を収めました。これは、本作がオリジナル版『オーメン』の世界観を踏襲しつつ、現代的な恐怖を描き出したこと、そして豪華なキャスト陣とスタッフ陣の貢献によるものと言えるでしょう。

更に、オリジナル版でダミアンを演じたハーヴェイ・スペンサー・スティーヴンスが、本作ではカメオ出演として登場していることも見どころの一つです。

まとめ

『オーメン』は、666という不吉な数字と、運命に翻弄される家族の物語を通じて、人間の深層心理に潜む恐怖を描いた秀作です。サスペンスフルな展開と、時にショッキングな描写は、多くの観客に強い印象を与え、ホラー映画史に名を刻む作品となりました。

もう一度検索