オーランド諸島の旗とは？意味をやさしく解説

オーランド諸島の旗：歴史と象徴

オーランド諸島の旗は、1954年 4月3日に制定され、マリエハムンで初めて掲揚されました。この旗は、バルト海に浮かぶオーランド諸島の地理的、政治的、そして文化的な独自性を反映しています。

旗のデザインは、青地に黄色のスカンディナヴィア十字というスウェーデンの国旗に似ています。さらに、赤いスカンディナヴィア十字が加えられ、フィンランドの伝統的な色である黄色と赤を表現しています。これは、オーランド諸島がスウェーデン文化を受け継ぎつつ、フィンランドの自治領であるという二重のアイデンティティを示しています。

旗の各色の帯の幅は、横が16:3:4:3:26、縦が12:3:4:3:12の割合で構成されています。公式の場では、フィンランドの国旗と共に掲揚されます。

自治領となる以前の1921年から1954年までは、青・黄色・青の水平三色旗が非公式に使用されていました。これは、初期のオーランド諸島におけるスウェーデンへの帰属意識を象徴していました。

オーランド諸島は、元々スウェーデン領でしたが、1809年にフィンランドがロシア帝国に割譲された際にフィンランド領となりました。1917年のフィンランド独立後、島民はスウェーデンへの復帰を求めましたが、国際連盟は1921年にスウェーデンへの割譲を認めず、代わりにフィンランド領内での自治権を認めました。

この自治権獲得を機に、島を代表する旗の制定が提案されました。初期の旗は、スウェーデンの国旗の色とオーランド諸島の紋章を基に、青と黄色の水平三色旗としてデザインされ、1922年の合唱祭で披露されました。しかし、フィンランド政府はスウェーデン色が強いとしてこの旗の掲揚を禁じ、新たなデザインを求めました。

1930年代から1940年代にかけて、オーランド諸島政府とフィンランド政府の間で旗を巡る緊張が高まりましたが、オーランド諸島は独自の旗を持つための交渉を続けました。1951年、ついにオーランド諸島が公式に独自の旗を持つための法律が可決され、デザインコンペが実施されました。スカンディナヴィア十字を取り入れた案が支持されましたが、最初の案はスウェーデン国旗に酷似しているとしてフィンランド政府に却下されました。

1953年まで議論が続き、フィンランド国旗の色を取り入れた案も検討されましたが、最終的にスウェーデンの旗を基に、フィンランドの国章の色である黄色と赤を加えた現在のデザインが採用されました。このデザインは、両国の文化を融合させ、調和させるという観点から議会で承認され、1954年 3月31日にフィンランド大統領が法律に署名し、オーランド諸島の旗として正式に認められました。

現在、オーランド諸島の旗は、陸上および海上において、オーランド諸島の象徴として掲げられています。

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