オーリ

オーリは、J.R.R.トールキンの小説『ホビットの冒険』に登場するドワーフであり、エレボール奪還を目指す13人のドワーフの一員として物語に深く関わります。彼はドーリ、ノーリの弟であり、灰色の頭巾を愛用していました。

生涯

オーリは、ソーリン・オーケンシールド率いるエレボール遠征隊に加わり、ビルボ・バギンズやガンダルフと共に、竜のスマウグから王国を取り戻す冒険に挑みました。彼は、兄であるドーリとノーリに守られるように旅をし、その道中では記録係として活躍しました。五軍の合戦後、オーリはバーリンらと共にモリア坑道（カザド＝ドゥム）の再興を目指しましたが、その試みは悲劇的な結末を迎えます。モリアはオークやトロルに襲われ、ドワーフたちは滅ぼされてしまいます。

オーリの最期は、『ロード・オブ・ザ・リング』で間接的に語られます。モリアを訪れたフロドたちは、マザルブルの書を発見します。その書はモリアの歴史を記したものであり、オーリによって記されたものでした。書には、ドワーフたちがオークに滅ぼされる様子が記されており、その書を抱えた白骨死体こそがオーリであるとされています。

人物像

オーリは、兄弟であるドーリとノーリに比べると、内気でおとなしい性格です。しかし、記録係としての才能に長けており、遠征の様子を詳細に記録しました。映画『ホビット』では、修道僧のような髪型で、髭も控えめな姿で描かれています。武器はスリングショットを使用し、戦闘では後方支援を担当しました。

マザルブルの書

オーリは達筆で知られており、彼が書いたとされるマザルブルの書は、モリアの滅亡の経緯を記録した重要な資料です。この書は、『ロード・オブ・ザ・リング』において、モリアの悲劇を伝える役割を果たし、物語に深みを与えています。

オーリは、目立つ存在ではありませんでしたが、エレボール遠征やモリア再興において重要な役割を果たしました。彼の記録は、後世にモリアの歴史を伝える貴重な資料となり、その存在は忘れられることはありません。

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