オールドベリー原子力発電所

オールドベリー原子力発電所

オールドベリー原子力発電所（Oldbury Nuclear Power Station）は、イギリス・サウス・グロスターシャーのオールドベリー・オン・セヴァーン近郊にある原子力発電所です。この発電所は、セヴァーン川の河口、ブリストル海峡の近くに位置しており、イギリス国内に存在する原子力発電所のうちの一つです。運営はマグノックス社が行い、そこに原子力廃止措置機関が関与しています。

歴史の背景

オールドベリー原発は1967年に開設され、二基のマグノックス炉を使用して424 MWeの電力を生産しています。この発電量は、ブリストル地域の通常の一日の消費電力を十分に賄えるものであります。1号機は1967年の9月18日に臨界に達し、11月9日には発電を開始しました。続いて、2号機も1968年4月に運転を始めました。

建設は、「原子力グループ」と呼ばれる企業コンソーシアムによって行われ、原子炉は原子力グループが供給しました。またタービンは電気工業連盟とパーソンズが担当しました。主要な民間建設請負業者はサー・ロバート・マカルピンでした。この発電所はイギリス最初のプレストレスト・コンクリート圧力容器を採用したもので、従来の鋼製圧力容器とは一線を画しています。

ただし、設計された発電量は626 MWeであったものの、高温の二酸化炭素冷却材が原因で運用当初から出力は424 MWeに抑えられ、1973年にはさらに400 MWeに引き下げられました。その後、ガス出口温度が改善され、1983年に434 MWeまで回復し、その後安定した運用が続けられました。

オールドベリー原発は元々2008年の終わりに運営を終了する予定でしたが、運営が延長され、2号炉が2011年6月30日、1号炉が2012年2月29日にそれぞれ運転を停止しました。

事故の詳細

過去にはいくつかの事故が発生しています。2007年3月30日には、変圧器の高圧ブッシングで火災が発生し、発電所は緊急措置のために停止されました。幸いにも、火災によるけが人や放射能の放出はなく、事故後は迅速に安定化しました。また、2011年には電気系統の問題が原因で2号炉が自動でシャットダウンしました。この際も安全に運転を停止しました。

さらに、2011年7月には1号炉が燃料装填機械の不具合のため、自動シャットダウンしました。近隣の住民が蒸気が立ち上る様子を目撃する中、発電所の運営はその後も続けられましたが、2号炉は43年の運用を経て、寿命に達したため永続的に停止されました。

近隣の生態系

オールドベリー原発はセヴァーン川の河口にあり、その周囲には沈泥干潟が広がっています。この地域は多くの鳥類の餌場やねぐらとして活用され、1979年から2005年にかけて199種の鳥が確認されています。特に2001年に確認されたGreen-winged Tealや2000年に記録されたクビワキンクロなど、多様な種が生息しています。

新しい原子炉計画

2009年、ホライズン・ニュークリア・パワーはオールドベリーに新たな3300 MWeの原子炉を建設する計画を発表しました。しかし、2012年にはE.ONおよびRWEnpowerがそのプロジェクトを中止すると発表しました。このような状況から、オールドベリー原発の未来は依然として不確実です。

文化的影響

オールドベリーは、文化的にも影響を与えてきました。たとえば、人気テレビシリーズ「ドクター・フー」のエピソード「The Hand of Fear」はオールドベリーで撮影されています。また、音楽番組「トップ・オブ・ザ・ポップス」や「Blake's 7」などでもオールドベリーが利用された場面が数多く見られます。

このようなオールドベリー原子力発電所は、その技術的な歴史や事故、さらには近隣の生態系への影響など、多くの側面を持つ重要な施設です。

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