オールドレスド

オールドレスド

概要

オールドレスド（英語: all-dressed、フランス語: assaisonnées, toute garnie）は、特にカナダで非常に人気が高いポテトチップスのフレーバーです。この独特の味わいは、一般的にケチャップ、バーベキュー、サワークリーム&オニオン、そしてソルト&ビネガーという、それぞれ単独でもポテトチップスのフレーバーとして広く知られる複数の味を一つに組み合わせることによって生み出されます。この「全部乗せ」とも言える複合的な風味が、多くの人々に支持される理由となっています。

名称の由来

「オールドレスド」（all-dressed）という英語表現、およびそのフランス語訳である「トゥット・ガルニ」（toute garnie）は、もともとピザの世界で使われていた言葉です。「全部乗せ」や「デラックス」「フルトッピング」といった意味合いで、文字通りあらゆる具材がトッピングされたピザを指していました。この表現が転じてポテトチップスにも適用され、複数の人気フレーバーをブレンドした独特の味覚を指すようになったと考えられています。興味深いことに、このフレーバーが登場した初期には、「オールドレスド」味のポテトチップスがピザの風味と関連付けられて語られる例も少なくありませんでした。

歴史

オールドレスド・フレーバーのポテトチップスは、カナダが発祥であると広く認識されています。しかし、具体的に誰が、あるいはどの企業が最初にこの画期的な組み合わせを考案したのかは、残念ながら明確には分かっていません。その歴史の中で、ケベック州を拠点とする食品メーカーであるヤムヤム（Yum Yum）社が、1978年にオールドレスドの一種とされるポテトチップスを発売したことが記録されています。これは、このフレーバーの歴史において比較的早期の事例として挙げられます。

国際的な展開

長らくカナダ国内の主要なフレーバーであったオールドレスドは、近年、カナダ国外でも注目を集め、販売される機会が増えています。例えばアメリカ合衆国では、もともと刑務所向けの食品を供給していたキーフ・グループ（Keefe Group）が製造する「ザ・ホール・シャバン（The Whole Shabang）」という名のオールドレスド味ポテトチップスが、2016年から一般市場でも入手できるようになりました。同じく2016年には、大手スナックメーカーであるフリトレー（Frito-Lay）が、「ラッフルズ（Ruffles）」ブランドからオールドレスド味を発売し、アメリカ市場での認知度を高める一助となりました。さらに、2025年にはフリトレーが「レイズ（Lay's）」ブランドの米国向けレギュラーラインナップに初めてオールドレスド味を導入することが発表され、アメリカにおけるこのフレーバーの地位確立が進んでいます。カナダ以外では英国でも販売例があり、2024年には現地の小売業であるコープ・フード（Co-op Food）が期間限定の商品としてオールドレスド味のポテトチップスを販売しました。これらの動きは、オールドレスドがカナダの枠を超えて国際的に受け入れられつつあることを示しています。

関連事項

• - ケチャップ・チップス
• - カナダ料理

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