オールナイトニッポンスーパーマリオブラザーズ

概要

『オールナイトニッポン スーパー[[マリオブラザーズ]]』は、1986年12月にニッポン放送のラジオ番組『オールナイトニッポン』の放送開始20周年を記念して限定生産されたファミリーコンピュータディスクシステム用ゲームソフトです。

当時、『オールナイトニッポン』では、パーソナリティの小峯隆生や小泉今日子、ABブラザーズなどが担当する番組内でファミコン関連のコーナーが盛り上がっていました。その流れを受け、前年に大ヒットした『スーパー[[マリオブラザーズ]]』と深夜放送の雄である『オールナイトニッポン』が融合し、ニッポン放送と任天堂という異色のタッグによって本作は誕生しました。

このゲームは、番組のリスナー向けに抽選でプレゼントされました。しかし、その人気からニッポン放送で数量限定販売も行われました。

『スーパー[[マリオブラザーズ]]』との相違点

ゲームシステム

本作は『スーパー[[マリオブラザーズ]]』をベースとしていますが、一部のシステムは『スーパー[[マリオブラザーズ]]2』に準拠しています。

2人交代プレイはなく、1人プレイ専用です。
プレイヤーキャラクターはマリオとルイージを選択でき、それぞれ性能が異なります。
コンティニュー機能が搭載されていますが、再開時は各ワールドのコース1からとなります。
ワールドの一部（8-4など）が『スーパー[[マリオブラザーズ]]2』のものに差し替えられ、難易度が大幅に上昇しています。
同じ構成のコースでも、アイテムの位置や内容が変更されている箇所があります。

ゲームをクリアすると、タイトルロゴの横に★マークがつき、8個以上になった状態でAボタンを押しながらゲームをスタートすることで、『スーパー[[マリオブラザーズ]]2』同様にワールドA〜Dをプレイできます。

背景

背景は『スーパー[[マリオブラザーズ]]2』に準じており、樹木や雲に目や口が描かれています。コースの地面はゴツゴツとした本作独自の表現です。また、ラジオ番組を意識したマイクが設置されているのが特徴的です。

ワールド1は、深夜放送をイメージしてか、『スーパー[[マリオブラザーズ]]』のワールド3と同じ夜の背景となっています。ゴールの砦の旗には、フジサンケイグループの目玉マークが描かれています。ただし、レンガブロックと城のグラフィックは『スーパー[[マリオブラザーズ]]』のものが使用されています。

アイテム

コース各所に出現するスーパースターは、当時のニッポン放送の人気番組『三宅裕司のヤングパラダイス』で話題となった神秘のアイテム「ヒランヤ（六芒星）」になっています。また、各ワールドのコース4の最後にいるクッパの後ろにある金の斧は、目玉マークの形をしています。

キャラクター

本作の最大の特徴は、各ワールドのコース4に捕らえられているキノピオが、当時の『オールナイトニッポン』のパーソナリティになっている点です。

ワールド1：月曜日担当の「みゆき」（中島みゆき）
ワールド2：火曜日担当の「たかあき」（とんねるずの石橋貴明）
ワールド3：同火曜日担当の「のりたけ」（とんねるずの木梨憲武）
ワールド4：水曜日担当の「KYON2」（小泉今日子）
ワールド5：木曜日担当の「たけし」（ビートたけし）
ワールド6：土曜日担当の「まっちゃん」（ABブラザーズの松野大介）
ワールド7：同土曜日担当の「ひでちゃん」（ABブラザーズの中山秀征）

金曜日担当のサンプラザ中野は、クリボーに代わる「オカピー」、パックンフラワーに代わる「パックンオカピー」として登場しています。なお、「オカピー」のモデルがタモリという説は誤りです。他の敵キャラクターに変更はありません。8-4に捕らえられているピーチ姫は、日本髪に着物姿でマリオの前に現れます。

設定

ストーリーや設定は『スーパー[[マリオブラザーズ]]』とほぼ同じですが、舞台はキノコ王国から「ビバ王国」（当時の番組のサブタイトル「ビバヤング」から）に変わり、ピーチ姫はビバ王国の姫という設定です。

パーソナリティたちがクッパに捕らえられる中、サンプラザ中野は番組コーナーへの投稿に紛れ込んだクッパの手紙に騙されてクッパの元へ行き、「オカピー」に変えられてしまったという設定です。

エピソード

発売当初、本作を紹介する媒体は少なく、『オールナイトニッポン』の熱心なファン以外には、その存在はほとんど知られていませんでした。現在では、幻のソフトとしてコレクターの間で有名になっています。

当初は記念品として3000本のみの予定でしたが、反響が大きかったため、ニッポン放送で数量限定で販売されました。しかし、入手が困難なため、コピー品が多数出回っています。正規品を判断するには、ディスクケースのラベルやマニュアル、ディスクカードのラベルシールを確認する必要がありましたが、近年ではこれらのラベル類も複製されており、注意が必要です。

当時の『オールナイトニッポン』と『スーパー[[マリオブラザーズ]]』のつながりは深く、本作発売の少し前には、『小峯隆生のオールナイトニッポン』からゲーム攻略ビデオが発売されています。また、番組ノベルティとして配布されたミュージックテープも、後に正式発売されています。

小泉今日子が担当していた番組コーナー「ファミバカコーナー」では、本作の発表後に、小泉の出る4-4のクリアを目指して挑戦プレイが行われましたが、クリアはできませんでした。この挑戦プレイを行ったのは、当時このコーナーを担当していた田尻智（ゲームフリーク代表取締役社長、「ポケットモンスター」原作者）でした。

サンプラザ中野をモデルにした「オカピー」と「パックンオカピー」の名称は、中野の当時の口癖と曲名に由来します。中野は、自分だけが敵キャラクター扱いであることに不服を述べていました。

1986年12月15日、中島みゆきのラジオ番組内で、本作の販売方法が告知されました。また、翌日には、とんねるずのラジオ番組でも告知されました。

これらの告知により、リスナーは往復はがきで応募し、抽選に当たった場合、現金書留で代金を支払うことで本作を入手できました。また、12月20日からはニッポン放送のミュージックセンターでも直接購入できるようになりました。

本作は、当時の人気ラジオ番組と大人気ゲームがコラボレーションした、非常に貴重なソフトであり、ゲーム史においても特筆すべき作品の一つと言えるでしょう。

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