オールバニ公爵

オールバニ公爵について

オールバニ公爵（Duke of Albany）は、スコットランドおよびその後の連合王国において特別な地位を有する王族の称号です。この爵位はスコットランド貴族として5回、連合王国の貴族として1回創設された歴史を持ちます。また、グレートブリテン王国の時期にはヨーク公爵と結びつく「ヨーク＝オールバニ公爵」という名でも知られることがありました。

歴史の始まり

オールバニ公爵の歴史は1398年に始まり、スコットランド王ロバート3世が弟のファイフ伯爵ロバート・ステュアートにこの称号を授けることから始まります。初代公爵ロバート・ステュアートは1420年に死亡し、その息子マードックが爵位を継承します。しかし、マードックは1425年に処刑され、その結果、関連する爵位も剥奪されてしまいました。

再興と争い

次にオールバニ公爵に叙されたのはスコットランド王ジェームズ2世の次男、アレグザンダー・ステュアートでした。彼は1458年に爵位を受けましたが、兄であるジェームズ3世との間に権力を巡る争いが発生し、1479年にエディンバラ城で投獄されます。アレグザンダーは何度か脱出を試み、最終的にはイングランド王エドワード4世の支援を仰ぐ形で政治的に活躍しましたが、再び国に戻ることは叶わず、最終的にはフランスに逃亡し、1485年に亡くなります。

その後、アレグザンダーの子ジョン・ステュアートが1515年に帰国し、爵位が回復されるものの、彼は短命の権力者となり、1524年に失脚。以降はフランス王フランソワ1世の傘下で活動するなど波乱万丈な人生を送りました。しかし、彼には子供が残されず、1536年に死去したことで、初期のオールバニ公爵家は幕を閉じることになります。

ジェームズ6世と連なる流れ

1541年にはジェームズ5世の息子アーサーが名目上オールバニ公爵として位置付けられましたが、夭折してしまいました。次いで、1565年にはスコットランド女王メアリー1世の夫であるダーンリー卿ヘンリー・ステュアートが公爵に叙爵されます。ダーンリー卿が殺されると、彼の息子ジェームズが爵位を引き継ぎますが、メアリー1世の退位により彼もまたスコットランド王となり、爵位は王領に組み込まれました。

近代の展開

次に1633年に生まれたチャールズ・ステュアートがオールバニ公爵に叙され、後にチャールズ1世として王に即位します。その後、1660年にはジェームズ・ステュアートが同爵位を受けるも、1675年以降は王領に統合され、公爵の名位は消滅。1881年にはヴィクトリア女王の四男がこの爵位を持つことになり、さらなる爵位の継承へと続きますが、1919年に称号剥奪法の影響を受け名位を失うことになりました。

オールバニ公爵の歴史は、数多くの権力闘争や政治的背景の中で形成されてきました。爵位の持つ意味は時代によって変化し、多くの家系がこの名を巡る歴史を語っています。オールバニ公爵の物語は、スコットランドの歴史そのものと言えるでしょう。

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