オール・ディス・タイム (スティングの曲)

「オール・ディス・タイム」（All This Time）は、イギリスのミュージシャン、スティングが1990年に発表した楽曲です。1991年発表のアルバム『ソウル・ケージ』からの先行シングルとしてリリースされました。

背景

アルバム『ソウル・ケージ』は、スティングが亡き父に捧げた作品であり、「オール・ディス・タイム」の歌詞は、2人の牧師の反対を押し切って、父親の亡骸を海に葬ろうとする遺族の視点から描かれています。この楽曲は、個人的な喪失と、伝統や権威に対する反抗という普遍的なテーマを扱っています。

アレックス・プロヤスが監督したミュージック・ビデオも話題となりました。スティングの妻であるトゥルーディ・スタイラーと、女優のメラニー・グリフィス（1988年の映画『ストーミー・マンディ』でスティングと共演）がフレンチ・メイド風の衣装で出演し、楽曲の持つドラマチックな雰囲気を盛り上げています。

12インチ・シングルおよびCDシングルには、カップリング曲として、スティングが以前在籍していたバンド、ポリス時代の楽曲「キング・オブ・ペイン」のライヴ・ヴァージョンが追加収録されました。これは、長年のファンにとっては嬉しいサプライズとなりました。

反響

「オール・ディス・タイム」は、イギリスの全英シングルチャートで4週間トップ100位以内にとどまり、最高22位を記録しました。一方、アメリカでは、Billboard Hot 100で5位に達し、1987年の「ウィル・ビー・トゥゲザー」以来の全米トップ10シングルとなりました。また、『ビルボード』のメインストリーム・ロック・チャートおよびモダン・ロック・チャートでは1位を獲得し、アダルト・コンテンポラリー・チャートでは9位を記録するなど、幅広い層から支持を得ました。

「オール・ディス・タイム」は、スティングの音楽キャリアにおいて重要な楽曲の一つであり、彼のソングライターとしての才能と、音楽を通じた感情表現の深さを改めて示す作品と言えるでしょう。

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