カイル・ミリング

カイル・ミリング：バスケットボール指導者の軌跡

カイル・ミリング（1974年7月27日生まれ）は、アメリカ合衆国イリノイ州出身のバスケットボール指導者です。バスケットボール一家に育ち、母方の従兄弟がNBA選手だったことも彼のバスケットボール人生に影響を与えました。

選手時代：アメリカからヨーロッパへ

高校時代はカリフォルニア州のパウウェイ高校で活躍し、平均19得点12リバウンドを記録、CIF All First teamに選出されるなど頭角を現しました。その後、カリフォルニア大学サンタバーバラ校を経てオレゴン大学に進学。大学卒業後、NBA入りは叶いませんでしたが、ヨーロッパでプロとしてのキャリアをスタートさせました。ベルギーでのトライアウトを経て、フランス、日本と渡り歩き、10年以上に渡り欧州で活躍。フランスのいくつかのチームでプレーし、その後、モナコで選手生活を終えました。

指導者時代：フランスと日本のBリーグで手腕を発揮

選手引退後は、カリフォルニア州の高校で指導者としてのキャリアをスタートさせました。その後、再びフランスへ渡り、Hyères-Toulon Var Basketのアシスタントコーチを経てヘッドコーチに就任。低予算チームながらPro-Bリーグ優勝、Pro-Aリーグ昇格を達成し、“Coach of the Year ProB”を受賞しました。Limoges CSP Eliteでもヘッドコーチを務め、ユーロカップベスト16進出などの実績を残しました。

2020年には、日本のBリーグ、横浜ビー・コルセアーズのヘッドコーチに就任。新型コロナウイルスの影響で来日が遅れましたが、チームに合流しシーズンを戦い抜きました。2021年には広島ドラゴンフライズに移籍し、現在も指導者として活躍しています。

指導哲学：チーム作り、自信醸成、統計指標へのこだわり

ミリング氏の指導哲学は3つの柱で成り立っています。

1. CREATE A TEAM（チーム作り）： チームを企業組織と捉え、選手一人ひとりが組織の一員として役割を理解し、互いを尊重し合うチーム作りを重視します。

2. BUILD CONFIDENCE（自信醸成）： 選手個々の自信とチームとしての信頼感の醸成を重視し、それが勝利への鍵だと考えています。

3. STATISTICAL OBJECTIVES（統計指標へのこだわり）： ディフェンス指標、リバウンド数、アシスト数といった統計指標を重視。これらの指標は選手の才能だけでなく、チームへの貢献度、アグレッシブな姿勢、プライドの表れだと考えています。

人物像

ミリング氏は、選手時代はインサイドプレイヤーとして活躍。ディフェンスへの貢献も高く評価されていました。指導者としては、厳しさの中に選手一人ひとりを尊重する姿勢を持ち、コミュニケーションを重視した指導で知られています。

私生活ではメキシコ料理や日本食を好み、特に餃子が好物。趣味は水泳、セーリング、料理で、得意料理は肉料理です。フランスでの生活が長かったためフランス語は堪能ですが、フランス人からは発音に癖があると評されています。座右の銘は「Never Too High, Never Too Low」。来日後に覚えた「ヨキ」という言葉がお気に入りで、勝利時には「ヨキヨキヨキ！」と叫ぶのが定番になっています。

まとめ

カイル・ミリング氏は、選手として、そして指導者として、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本で長く活躍してきた経験豊富な人物です。彼の指導哲学と情熱、そして人間性は、多くの選手やチームに大きな影響を与え続けています。今後の活躍にも期待が集まります。

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