カグラザメ目

カグラザメ目：深海の古代サメたち

カグラザメ目は、軟骨魚類板鰓亜綱に属するサメの仲間です。ラブカやカグラザメなど、比較的原始的な形態を持つサメが含まれることで知られています。最大の特徴は、他のサメ類と比較して鰓裂の数が多いことで、6対または7対の鰓裂を持ちます。一般的に水深1000メートルまでの深海域に生息しており、現在確認されている種は7種です。

カグラザメ目の分類

カグラザメ目は、大きく分けて2科4属7種に分類されます。それぞれの種は鰓裂の数にも違いが見られ、ラブカ、アフリカフリルフカ、カグラザメ、シロカグラ、大西洋カグラザメは6対の鰓裂を持つ一方、エビスザメとエドアブラザメは7対の鰓裂を持っています。

分類については、ラブカ科を独立した目として扱う分類体系を支持する研究者もいます。しかし、形態学的系統解析やミトコンドリアゲノム解析の結果、ラブカ科は他のカグラザメ目のサメの姉妹群であるものの、カグラザメ目の中に含める単系統分類が有力視されており、世界的にはラブカ目を認めない分類が主流となっています。

ラブカ科 (Chlamydoselachidae)

ラブカ科は、1属2種から構成されます。

ラブカ属 (Chlamydoselachus)
ラブカ (Chlamydoselachus anguineus)
ミナミアフリカラブカ (Chlamydoselachus africana)

カグラザメ科 (Hexanchidae)

カグラザメ科は、3属5種を含みます。

エドアブラザメ属 (Heptranchias)
エドアブラザメ (Heptranchias perlo)
エビスザメ属 (Notorynchus)
エビスザメ (Notorynchus cepedianus)
カグラザメ属 (Hexanchus)
カグラザメ (Hexanchus griseus)
シロカグラ (Hexanchus nakamurai)
大西洋カグラザメ (Hexanchus vitulus)

カグラザメ目の特徴

カグラザメ目は、その原始的な形態から、サメ類の進化を理解する上で重要なグループです。他のサメと比較して、多くの特徴を持っています。

鰓裂の数が多い: 6対または7対の鰓裂を持つことは、カグラザメ目を他のサメと区別する大きな特徴です。
深海性: 水深1000メートルまでの深海に生息しています。
比較的原始的な形態: 体の構造や生態など、他のサメと比較して原始的な特徴を多く残しています。
* 限られた種類: 現生種は7種類と、サメ全体の種類数と比べると少ないです。

まとめ

カグラザメ目は、深海に生息する原始的なサメのグループです。鰓裂の数が多く、限られた種類しか存在しない点が特徴です。その特異な形態や生態から、進化生物学の研究において重要な役割を担っています。今後の研究により、さらなる知見が得られることが期待されます。

参考文献

仲谷一宏 (2011). サメ-海の王者たち-. ブックマン社

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