カジちゃん

カジちゃん、せいちゃんは、2002年12月30日頃から新潟県北蒲原郡聖籠町次第浜の加治川河口付近に現れたゴマフアザラシです。体長は約80cmとみられ、子供のアザラシと考えられました。

当時、多摩川に現れた「タマちゃん」、宮城県歌津町の「ウタちゃん」に続く、全国で3例目の漂流アザラシとして、カジちゃん、せいちゃんの出現は大きな注目を集め、多くの見物客が訪れました。

当初、カジちゃんは、出没場所である加治川の名前にちなんで「カジちゃん」と呼ばれていました。また、「タマちゃん」や「ゴマちゃん」といった愛称でも親しまれていました。しかし、2003年1月6日、聖籠町が町名にちなんでこのアザラシを「せいちゃん」と命名し、町観光協会のホームページなどで宣伝したところ、町や協会に対して賛否両論のメールが殺到し、愛称を巡る論争が巻き起こりました。

2003年1月9日午後には、カジちゃん（せいちゃん）は加治川河口から南へ約6km離れた、聖籠町と新潟市にまたがる新潟東港に現れました。その後、1月14日にも姿が確認されましたが、それ以降、カジちゃん（せいちゃん）の姿は確認されなくなり、どこかへ姿を消してしまいました。

カジちゃん、せいちゃんの愛称論争は、地域振興における動物の活用と、命名の主体、そして地域住民の意思という、現代社会における課題を浮き彫りにする出来事となりました。

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