カジミェシュ4世 (スウプスク公)

カジミェシュ4世（ポメラニア＝スウプスク公）

カジミェシュ4世（1351年 - 1377年1月2日）は、ポメラニア＝スウプスク公として知られる人物です。彼は、スウプスク＝ヴォルガスト公ボグスワフ5世の長男として生まれ、母はポーランド王カジミェシュ3世の娘エルジュビェタでした。姉には神聖ローマ皇帝カール4世の妃エルジュビェタがいます。カシコ（Kaźko słupski）の名前でも呼ばれていました。

生涯

カジミェシュ4世は、母方の祖父であるポーランド王カジミェシュ3世に非常に可愛がられて育ちました。カジミェシュ3世は、1370年に亡くなる際、自身の王国を孫であるカジミェシュ4世と、甥のハンガリー王ラヨシュ1世の間で分割相続させるという遺言を残しました。遺言では、カジミェシュ4世にドブジン、ブィドゴシュチュ、クルシュヴィツァ、ズウォトゥフ、ヴァウチュなどクヤヴィ公家の世襲領地を与えることが定められていました。

しかし、ポーランドの貴族や高位聖職者たちは、かつてのポーランド王国の分裂状態が再び起こることを恐れ、国王の遺言を無視し、王国領のほぼ全域と王冠をハンガリー王に差し出しました。結果として、カジミェシュ4世には、封土という形でドブジンが一時的に与えられたのみとなりました。

結婚と後継

1360年、カジミェシュ4世はリトアニア大公アルギルダスの娘ケンナと結婚しました。ケンナとカジミェシュは親族関係にあり、ケンナは結婚に際して東方正教会からローマ・カトリックに改宗し、「ヨハンナ」と名乗りました。しかし、ケンナは1368年4月に子供を産むことなく亡くなりました。

翌1369年4月、カジミェシュ4世はマゾフシェ公シェモヴィト3世の娘マウゴジャータと再婚しました。しかし、この結婚でも子供をもうけることはできませんでした。1377年にカジミェシュ4世が亡くなると、異母弟であるヴァルチスワフ7世（デンマーク王エリクの父）がスウプスク公国を継承しました。未亡人となったマウゴジャータは、後にシロンスクのルビン公ヘンリク7世と再婚しました。

カジミェシュ4世の生涯は、王位継承を巡る複雑な政治的駆け引きと、2度の結婚を通じた人間関係に彩られています。短い統治期間ではありましたが、周辺諸国との関係に影響を与えた人物として、歴史に名を残しています。

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