カスザメ属

カスザメ属 (Squatina)

カスザメ属は、サメの一群であり、全体的に扁平な体型と幅広い胸鰭を特徴とします。そのため、エイに似た姿をしています。この属には23種がカテゴライズされ、カスザメ目およびカスザメ科は単型の分類です。カスザメ属は主に温帯から熱帯の海域に分布し、浅い海底に生息していますが、特にカリブカスザメについては水深1300mからの発見例も報告されています。

形態

カスザメ属は独特な形状を持ち、前半身は縦に扁平であり、後半身は筋肉質で他のサメと似た特徴を有します。頭部の頂上には目と噴水孔があり、背面の側部には5対の鰓裂が並んでいます。胸鰭と腹鰭は大きく広がっており、水平に展開する特徴があります。また、背鰭が2基あり、臀鰭がない点も特徴的です。尾鰭は他のサメとは異なり、下葉が上葉よりも長いという特性があります。一般的に、カスザメ属のほとんどの種は最大で1.5m程度ですが、特にカスザメは最大で2mに成長することがあります。

生態

このサメは、砂や泥に潜んでおり、魚類や甲殻類、軟体動物をじっと待ち受けて捕らえます。広がった口と鋭い歯により、素早く獲物をつかまえることができます。また、カスザメ属は卵胎生であり、1回の出産で約13匹の子を産むことが知られています。捕食方法や生態には、高い適応能力が見られます。

人との関わり

カスザメ属のサメは、普段は底生でおとなしい印象を与えますが、気をつけないと危険な性質も持っています。特に、頭部に接近したり尾部をつかんだりすると、噛み付くことがあります。彼らの鋭い歯と強力な顎によって、重傷を負うこともあります。さらに、カリフォルニアカスザメやホンカスザメなど、一部の種は漁業活動の影響で個体数が減少していることが懸念されています。

分類

カスザメ属では、合計24種が認識されていますが、その分布域に基づいて最大で4つの系統に分けられます。これにより、生物学的な多様性が見えてきます。

ヨーロッパ・北アフリカ・アジア系統

• - Squatina aculeata (トゲカスザメ)
• - Squatina squatina (ホンカスザメ)
• - Squatina oculata (トゲナシカスザメ)
• - Squatina japonica (カスザメ)
• - Squatina tergocellatoides
• - Squatina legnota
• - Squatina formosa (タイワンコロザメ)
• - Squatina caillieti (Philippines angelshark)
• - Squatina nebulosa (コロザメ)

南アフリカ系統

• - Squatina africana (アフリカカスザメ)
• - Squatina leae

オーストラリア系統

• - Squatina australis (オーストラリアカスザメ)
• - Squatina albipunctata (Eastern angelshark)
• - Squatina pseudocellata (Western angelshark)
• - Squatina tergocellata (Ornate angelshark)

南米・北米系統

• - Squatina argentina (アルゼンチンカスザメ)
• - Squatina californica (カリフォルニアカスザメ)
• - Squatina armata (Chilean angelshark)
• - Squatina david
• - Squatina dumeril (カリブカスザメ)
• - Squatina guggenheim (ワモンカスザメ)
• - Squatina heteroptera (Gulf angelshark)
• - Squatina mapama
• - Squatina occulta
• - Squatina varii

このような系統樹が形成され、カスザメ属の生物学的な関連性が明らかになっています。

脚注

• - 仲谷一宏 (2011). サメ―海の王者たち―. ブックマン社. pp. 224-227
• - Integrated Taxonomic Information System, 2006年5月4日閲覧.

外部リンク

• - OceanFootage Angel Shark Images and Video Clips
• - Reefquest page on angel sharks
• - Monterey Bay Aquarium page on Pacific angel shark
• - Elasmo-research.org

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