カタシャジクモ

カタシャジクモ（Chara globularis）

カタシャジクモは、シャジクモ目に属する大型の藻類で、様々な水環境で繁茂することで知られています。この藻は主に淡水の湖沼や池で見られ、時には特有のシャジクモ帯を形成します。現代の生物多様性保護の観点から、環境省のレッドリストにおいて絶滅危惧II類に指定されており、その重要性が増しています。

特徴

この藻は大きく成長し、一般的には20から100センチメートルの長さに達します。主軸の直径は0.3から1ミリメートルで、暗緑色をしています。主軸は皮層に覆われ、特に先端の2から3節を除いて透明感がなく、触れると硬い感触があります。この特性が、カタシャジクモという名前の由来となっています。

主軸には特徴的な節があり、ここから7～8本の小枝が生えています。小枝の基部には、上下に2つのリーダークラウンが見られ、これもまた退化的です。小枝には通常8～11の節部があり、各節には痕跡的な苞が存在します。水から引き上げると独特な匂いを放つことが特徴の一つです。

雌雄同株性で、小枝の下部にはそれぞれ雄器と雌器が現れます。雄器は305から450ミクロンの直径を持ち、成熟時には鮮やかな赤色になります。対して雌器はより大きく、800から1,100 × 500から700ミクロンのサイズを持ち、らせんが14から16本見られます。卵胞子は黒色で、粒状の壁を持ち、特有の形状を示します。

生息環境と分布

カタシャジクモは南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、およびオーストラリアといった広範な地域に分布しており、日本では北海道から九州まで見られます。淡水の湖や池、さらには溝といった止水域に生えることが多いです。特に山地の湖では、ヒメフラスコモと共に重要な水草群落を形成します。生長する水域のpHは5.8から8.8の範囲内です。通常は一年生として見られ、繁殖期は初夏から秋にかけてです。

保全状況

日本国内では1960年代以降、水質悪化や人為的な環境管理の減少、農薬の使用などにより減少傾向にあります。環境省のレッドリストにおいては、第5次では絶滅危惧II類に位置付けられており、さまざまな地域での保護が求められています。特に千葉県では最重要な保護生物として扱われている一方、他の県では様々な保護カテゴリーに分類され、状況が多様です。

分類と類似種

カタシャジクモに似た種としてソデマクリシャジクモ（Chara leptospora）がありますが、こちらは小枝の末端に皮層を欠く部分が長く、独特の卵胞子壁を持つために区別が可能です。ソデマクリシャジクモは比較的新しい種で、いくつかの湖からも報告されています。

以上、カタシャジクモについての詳細な情報をご紹介しました。この藻は単なる自然の一部ではなく、生態系における重要な役割を担っていることがおわかりいただけたでしょう。

もう一度検索