カタマメマイマイ

カタマメマイマイについて

概要

カタマメマイマイ（学名: Lepidopisum conospira）は、ナンバンマイマイ科に属する陸生の小型の巻貝です。日本では主に本州、四国、九州に分布しており、韓国や北朝鮮にも生息しています。草地や河川敷、海岸、さらには耕作地周辺などの乾燥した環境を好む傾向があります。成貝は殻径約6mm前後と小さく、非常に特徴的な形状を持っています。

分類と名称

カタマメマイマイの和名は、煎った豆のような堅い性質に由来しています。古くはウロコマメマイマイとしても知られていました。学名の「conospira」は、円錐形の螺旋を示唆しており、殻の円錐状の特徴を反映しています。この種は2016年の時点でLepidopisum属に唯一の種として確認されています。

形態

カタマメマイマイは、成貝の成長によって殻高が5-6mm、殻径が6-7mm程度と小型ですが、特に小型の個体では殻高が3.8mm、殻径4.85mmのものも存在します。シェイプが全体的に丸みを帯びており、螺層は約5層で、各層が弱く膨らんだ形状をしています。

殻表には成長線が見られ、特に若い個体はビロード状の鱗片を持っています。年を経るごとにこれらの鱗片が脱落し、殻は滑らかさを欠くようになります。色は、若い個体は赤褐色が強く、成貝になると淡褐色へと変化します。

生殖器

生殖器は雌性部が単純で矢嚢がなく、雄性部が発達する場合には特有の形態を持っていますが、多くの個体では雄性部が萎縮していて雌として機能しています。この点は生殖戦略に関する興味深い特徴です。

生態

カタマメマイマイは、多湿の日本ではあまり多くの生息地が知られていませんが、岡山県には特に多く見られる地域が存在します。また、愛知県の河邊林では健全な個体群が確認されており、他の貝類にとって好適とは必ずしもいえない環境で生存していることが示唆されています。この種は、環境の変化に対して敏感で、特定の地点での個体群が短期間で消滅する事例もあります。

分類と保存状況

カタマメマイマイは、20世紀後半には数回の分類の変更が行われ、最終的にナンバンマイマイ科に位置づけられています。生存状況評価では、絶滅危惧II類に指定されており、日本だけでなく韓国でも脆弱とされています。

人間との関係

この種は直接的に人間に利害をもたらす存在ではないものの、その生息環境の改変は大きな影響を及ぼす可能性があります。また、土地の管理が適切に行われれば、望ましい生息環境を創出することもできるでしょう。環境保全への関与は、カタマメマイマイの今後の生存にとって重要といえます。

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