カタルーニャ独立手続き開始宣言

カタルーニャ独立手続き開始宣言とは

カタルーニャ独立手続き開始宣言（カタルーニャ語: Declaració d'inici del procés d'independència de Catalunya）は、2015年11月9日にスペイン・カタルーニャ州議会で採択された決議です。この決議は、カタルーニャがスペインから分離独立するための手続きを開始することを宣言するものでした。

背景

2014年11月9日、カタルーニャ州で独立の是非を問う住民投票が実施されました。この非公式な住民投票では、80%以上が独立を支持する結果となりました。しかし、スペイン中央政府はこの住民投票を認めず、憲法裁判所は、主権に関する住民投票を実施する権利は中央政府のみにあるとして、住民投票を可能にした州の法令そのものを違憲と判断しました。

[2015年]]9月27日のカタルーニャ自治州議会選挙では、独立賛成派の選挙連合であるジュンツ・パル・シ]と人民統一候補 (CUP)が過半数の議席を獲得しました。これらの独立派は、選挙で過半数を制した場合、18ヶ月以内に独立宣言を行うと表明していました。選挙の結果、独立派は135議席中72議席を獲得し、当時の[[アルトゥール・マス州首相は、独立に向けた運動を進める民主的な委任が得られたと述べました。ただし、独立派の得票率は47.8%と過半数には届きませんでした。

このような背景のもと、2015年10月27日、独立賛成派はカタルーニャ州の分離独立に向けた手続きを開始し、州議会に独立手続き開始宣言文書を提出しました。

独立手続き開始宣言の内容

2015年11月9日、カタルーニャ自治州議会は、賛成72、反対63で独立手続き開始宣言を可決しました。決議の主な内容は以下の通りです。

1. 2015年9月27日のカタルーニャ自治州議会選挙の結果、カタルーニャを独立国とすべきとする勢力が議会の多数を占めたことを特記する。
2. 独立手続き開始を宣言する。
3. 開かれた憲法制定手続きを開始する。
4. これらの宣言を実行することを将来のカタルーニャ政府に要請する。
5. 30日以内にカタルーニャの社会保障や税制のための法律を通過させるため適切な手段を考察する。

スペイン政府の反応

決議の可決後、スペインのラホイ政権はテレビ演説を行い、憲法裁判所に決議の無効を確認するため上訴する意向を表明しました。11月11日には決議差し止めの判断が下されましたが、カタルーニャ州政府は即座に分離独立手続きを進めると発表しました。

その後

この宣言をきっかけに、カタルーニャ独立を巡る動きは加速しました。しかし、スペイン政府は独立を認めず、両者の対立は激化しました。2017年には、カタルーニャ州政府が独立を問う住民投票を強行し、再び独立宣言を行いましたが、スペイン政府はこれを認めず、州政府を解散させるなど、事態は混迷を深めています。

カタルーニャ独立問題は、現在もなお解決されておらず、スペインの政治に大きな影響を与え続けています。

関連項目

* カタルーニャ独立運動

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