カタンガ州

カタンガ州について

カタンガ州（Katanga Province）は、かつてコンゴ民主共和国に存在した地域です。この州は、一時「シャバ州」という名称に改称されましたが、後に、元の名称であるカタンガ州に戻されました。カタンガ州は、コバルトやウランをはじめとする様々な地下資源が豊富に埋蔵されており、その影響で歴史的に多くの内戦が生じました。

地理と産業

カタンガ州はコンゴ民主共和国の最南端に位置しており、南西にはアンゴラ、南にはザンビアとの国境があります。また、東側にはタンザニーカ湖が広がり、タンザニアとの国境を形成しています。州の大部分は高原地帯で、標高は約1000メートルに達します。州都はルブンバシで、この地域はコバルトやウランなどのレアメタルを生産する重要な産業地帯となっています。

しかし、これらの豊富な地下資源は、地域の安定を妨げる原因ともなり、特に独立後は資源を巡る国際的な思惑が絡み合った結果、大規模な内戦が繰り広げられました。

歴史的経緯

1960年、コンゴ民主共和国が独立を果たすと、カタンガ州はすぐにカタンガ国として独立を宣言しました。この独立宣言は、モイーズ・チョンベが大統領として採択した「カタンガ憲法」に基づいて行われ、ベルギーからの軍事支援も受けていました。しかし、国連軍などによる攻撃を受け、1963年にはチョンベは亡命を余儀なくされ、独立を断念しました。

その後、1971年にはモブツ大統領の政策により、州名はスワヒリ語で「銅」を意味する「シャバ」に変更されました。同時に、カタンガの分離・独立を目指すコンゴ解放民族戦線（FNLC）の動きも活発化しました。

シャバ紛争

1977年、FNLCは軍をシャバ州に進め、第一次シャバ紛争が勃発しました。彼らはディロロやカサジ、ムチャチャを占領しましたが、コンゴ政府は西側諸国からの援助を受け、これを鎮圧することに成功しました。翌1978年には、FNLCが再びザンビア側から攻め込むことで第二次シャバ紛争が発生しました。この紛争では鉱山事業関係の多くの欧米人が住むコルヴェジを占拠され、多くの人質が取られる事態に陥りました。これにより、欧米諸国は軍事介入を行い、最終的にはFNLCを撃退しましたが、その際多くの白人が命を落としたり、行方不明になる事件が相次ぎました。

再編成と現在

1997年、コンゴ民主共和国が設立されると、州名は再びカタンガに戻されました。

さらに2015年には、カタンガ州は新たにタンガニーカ州、上ロマミ州、ルアラバ州、上カタンガ州の4つの州に分割され、地域の行政区画が再編成されました。このように、カタンガ州は歴史的にも地理的にも多くの変遷を経て、今日に至っています。

まとめ

カタンガ州は、その豊富な地下資源と歴史的な動乱を抱える地域であり、コンゴ民主共和国において重要な役割を果たしてきました。内戦や外国の介入が絡み合う中で、地元住民や国の発展に多大な影響を与えた地域の一つでもあるのです。

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