カツカレー食い逃げ事件

カツカレー食い逃げ事件について

カツカレー食い逃げ事件は、自由民主党の総裁選挙において、出席した国会議員の数に対して実際の得票数が少なかった出来事を指したユーモラスな表現です。この事件は特に2018年と2024年に関連して取り上げられています。

2018年の事件

2018年9月20日、自由民主党総裁選挙が行われる当日に、東京都内のホテルで「必勝出陣の会」が開催されました。このイベントでは、安倍晋三候補者陣営が投票権を持つ議員に対して333食分のカツカレーを提供しました。このカレーは、「カツ」と「勝つ」という言葉をかけたもので、勝利を願う意味を込めていました。しかし、同日の午後に行われた投開票では、安倍氏に投じられた票数は329票となり、カレーの提供数よりも4票少ない結果になりました。

この結果は、多くのメディアで報じられ、出陣式に参加した議員たちの中には、実際には安倍氏に投票しなかった人が少なくとも4人いるのではないかとの憶測が広まりました。そうした憶測の元になったのは、当時の安倍陣営の事務総長であった甘利明氏がこの事例を「カレーライス事件」と名付けたからです。

この事件に関与したとされる議員の一部には、高橋比奈子（麻生派）や谷公一（二階派）が含まれていたとも言われており、当時の小泉進次郎議員が安倍氏に投票しないことを公言したので、その影響で若手議員が投票先を変えた可能性も指摘されています。ただし、出陣式に参加した正確な議員数や実際に食べたカレーの数は明らかにされていません。

2024年の事件

2024年9月27日に行われる予定の自由民主党総裁選挙においては、加藤勝信候補が立候補しました。この選挙には、彼が属していた平成研究会（旧茂木派）の茂木敏充氏も立候補していたため、加藤氏は推薦人を集めるのに苦労しました。自民党内での状況は複雑で、各陣営が互いに引き抜きを行っていたため、加藤氏の推薦人となりながら他の候補に投票する者が出てくるのではないかとの懸念もありました。

投票の数時間前、出陣の会では推薦人たちがカツカレーを味わって会を盛り上げました。しかし、投票を経た結果、加藤氏はたったの16票しか得られませんでした。推薦人を含めて21票のうち、少なくとも6票が他の候補者に投じられたことが分かっています。そして、この票数の背景には、出陣式に参加しながら加藤氏に投票しなかった議員たちの存在があったのです。

このように、カツカレー食い逃げ事件は、出陣式で盛大に祝われたにもかかわらず、実際の投票結果がそれにそぐわないという皮肉を孕んでいます。政治の舞台裏に潜む複雑な人間関係や策略を象徴する出来事として、今後も語り継がれ続けるでしょう。

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