カトマンズ・ポスト

カトマンズ・ポストについて

『カトマンズ・ポスト』は、ネパールで最も重要な英字新聞のひとつであり、1993年にシャム・ゴエンカによって創刊されました。この新聞は、ネパール語の最大手日刊紙『カンティプール』を発行するカンティプール・パブリケーションズの一部として、独立した資本体制の下に運営されています。『カトマンズ・ポスト』は、95,000部の発行部数を誇り、ネパールにおける英字新聞の中で最大の存在となっています。

記事構成と内容

『カトマンズ・ポスト』は6ページ建てで構成され、通常は最初から5ページを国内のニュースに充てています。残りのページでは解説記事やインタビュー、自動車レビュー、レストランのレビュー、旅行情報など、多彩な特集記事が掲載されます。平日には、社会や生活、スタイル、ファッション、テクノロジー関連の国内外の文化や芸術についても触れています。週末版では、長文の報道や風刺、創造的なノンフィクションに重きを置いており、読者に深い洞察を提供しています。

2018年からはアヌプ・カフルが編集責任者となり、より長大で調査に基づく報道へと焦点を移しました。これにより、分析や解説が日刊紙の核となり、ニュースの深堀りを追求しています。

紛争と影響

しかし、新聞の歴史は常に平坦ではありませんでした。2007年には、かつてのネパール統一共産党系の毛沢東主義反政府勢力に関連する全ネパール印刷出版労働組合による襲撃を受け、印刷機が破壊され、発行が停止する事態となりました。この事件に対して、200人のジャーナリストや法律専門家がカトマンズで抗議のデモを行い、言論の自由を守るための強い姿勢を示しました。

さらに、2020年2月には、中国大使館との間でのトラブルもありました。『カトマンズ・ポスト』は元NATO大使が執筆した記事を転載し、中国の指導者の画像を使用したことが波紋を呼びました。中国大使館はこの行動に対し、記事が「悪意ある意図」に基づいたものであり、中国政府を攻撃する意図があると批判しました。この声明は、ジャーナリストや外交官の間で大きな議論を呼び、中国政府が隣国の報道に対する言論の自由に干渉しようとしていると受け取られました。

結論

『カトマンズ・ポスト』は、ネパールにおける新聞の役割を考えるうえで欠かせない存在です。多様な情報を提供するだけでなく、時には政治的、社会的な圧力にも直面しながらも、言論の自由を守るための努力を続けています。彼らの報道は、ネパール国内外の様々な視点を反映し、多くの読者にとって重要な情報源となっています。

もう一度検索