カナディアンシーダーハウス

カナディアンシーダーハウスとは

カナディアンシーダーハウスは、屋根と壁面が一体となったゴシックアーチ型の木造建築スタイルです。この建物は特にカナダ産の樹齢約300年のシーダー、つまりウェスタンレッドシダーを使用して建築されます。特筆すべきは、その耐久性です。風雪に対する強さが高く、断熱性能にも優れているため、寒冷地でも快適に過ごすことが可能です。また、ユニークな構造のため雪が屋根に溜まることがなく、自然と地面に落下することから、雪下ろしをする必要がありません。この点は多くの人々から評価され、多くの地域での住宅建設に採用されています。

日本での普及

長野県の住宅関連企業「林友」は、1970年に社長の穂苅甲子男がカナダのバンクーバーでの博覧会でカナディアンシーダーハウスに触れたことがきっかけとなり、日本での普及を始めました。「カナディアンシーダーハウス」と名付けられたその建物は、以降、1800棟以上が建設されており、日本各地でその姿を見かけることができます。この企業はその技術やデザインを用い、地域に密着した住宅を提供し続けています。

カナデアンコーヒーハウス

1970年代には、「カナデアンコーヒーハウス」というブランドを展開し、カナディアンシーダーハウスを利用した喫茶店の建築や運営面でのノウハウ提供も行いました。当初は長野県内や中部地方を中心に、広島県、岡山県、さらには四国や九州地方にも店舗が展開されました。このようにカナディアンシーダーハウスは、ただの住宅にとどまらず、様々な形態の店舗としても活用され、日本文化の中で根付いていきました。

現在でも、富山県や愛知県、新城市、一宮市、徳島県にはこのスタイルの店舗が存在し、「カナディアンコーヒーハウス」やその類似名称で地元の方々に親しまれています。東京都多摩市には似た形態の「カナディアンコーヒーショップ」も運営されています。

その他の利用例

カナディアンシーダーハウスは、喫茶店の他にも別荘やペンション、住宅や保養所としても広く利用されています。2010年代現在、長野県の茅野市や北安曇郡白馬村、岐阜県大野郡荘川村に多くの別荘や貸別荘が存在します。また、愛知県瀬戸市には養蜂博物館があり、1988年に設計されたカナディアンシーダーハウスがその中に組み込まれています。

さらに、林友グループはこれらの技術を元にした大規模な木造建物として、松本市にラン友ホールやカナデアンホールを建設し、貸しホールとして活用しています。これにより、カナディアンシーダーハウスは単なる建築スタイルにとどまらず、地域社会や様々な文化的活動に貢献していると言えます。

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