カナリヤの会

カナリヤの会について

カナリヤの会（カナリヤのかい）は、1995年6月に設立された、オウム真理教から脱会した信者による団体です。この組織は、脱会者が気軽に交流できる場を作ることを目的としており、オウム真理教被害者対策弁護団の滝本太郎弁護士によって発足されました。

設立の背景

構想が持ち上がったのは1994年のことで、当時はオウム真理教の影響が強く、脱会者たちの状況は非常に厳しいものでした。特に麻原彰晃の逮捕がきっかけとなり、彼の教団に対する緊迫した状況が緩和される中、ようやく1995年にカナリヤの会が結成されました。

名前の由来

カナリヤの会の名称には特別な意味があります。まず、童謡『かなりや』の歌詞には、脱会者が直面した困難や感情が反映されていると考えられており、その内容が脱会者たちの立場をよく表しています。また、オウム真理教が強制捜査を受けた際、捜査員が毒ガスの検知のためにカナリアを持参していたことも、この名称のインスピレーションとなっています。これにより、脱会者たちが自らの状況を少しでも理解し、共有し合う場としての役割が強調されています。

交流の場

カナリヤの会では、定期的に集まって志を同じくするメンバーが雑談や交流を通じて心の支え合いを行っています。これらの活動は、脱会者たちが持つ共通の経験や想いを分かち合う重要な機会となっています。また、彼らはその経験を基にした機関誌『カナリヤの詩』を発行しており、これはメンバーの声や意見が掲載される貴重な媒体です。ここでは、今までの経験や思いを文章にすることで、より多くの人たちに現状を伝えたり、経験を活かしたりすることが狙いです。

組織の活動

会の活動には、交流会やイベントの開催、機関誌の発行の他、必要に応じてインフォーマルなサポートの提供も含まれています。特に、心理的な支援や情報提供を行うことで、脱会者たちが新しい生活を始める手助けとなることを目指しています。これらの活動を通じて、カナリヤの会は脱会者が心のケアを受け、共同体としての連帯感を築く場所となっています。

カナリヤの会は、単なる交流の場にとどまらず、脱会者同士の絆を深め、互いに支え合うコミュニティとしての役割を果たしています。彼らの活動は、過去に受けた影響からの回復を促進し、未来への希望を描くための大切なステップとなっているのです。

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