カバジート

カバジート地区：ブエノスアイレスの隠れた魅力

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの中心部、コムーナ6に位置するカバジート（Caballito）地区は、約18万人が暮らす活気あふれる地域です。その名前の由来は、かつて地元のバルにあった馬の形をした風向計にちなみ、「小さな馬」を意味しています。

英国風建築と歴史的建造物が織りなす街並み

カバジートは「英国地区」と呼ばれることもあり、19世紀末の英国様式建築物が数多く残されています。優美な建物が立ち並ぶ街並みは、ノスタルジックな雰囲気を醸し出し、散策するだけでも楽しいひとときを過ごせます。

地区内には、歴史を感じさせる建造物が点在しています。1890年創業のプログレッソ市場は、地元の人々の生活に密着した活気ある空間です。また、イタリアンクラブやポルトゲーゼクラブといった、移民の歴史を物語る施設も存在します。サッカークラブのフェロ・カリル・オエステの本拠地もこの地区にあり、地元住民にとって重要な存在となっています。さらに、ブエノスアイレス・トラム歴史博物館は、かつてこの地を走っていた路面電車の歴史を学ぶことができる貴重な場所です。カバジート教会は、地区の精神的な中心として人々に親しまれています。

ブエノスアイレス地下鉄A線と歴史的車両

1913年に開業したブエノスアイレス地下鉄A線は、カバジート地区の中心部を走っています。現在も運行している年代物のベルギー製車両は、歴史を感じさせる貴重な存在であり、多くの観光客を魅了しています。地下鉄に乗って街を巡るのも、カバジートの魅力を味わう一つの方法です。

広大な公園と豊かな緑

カバジート地区には、リバダビア公園とセンテナリオ公園という二つの大きな公園があります。特にセンテナリオ公園は、アルゼンチンの独立100周年を記念して1910年に開園した歴史ある公園で、広大な敷地には緑豊かな木々が茂り、市民の憩いの場となっています。フランス系アルゼンチン人の都市計画家カルロス・タイスによって設計されたこの公園は、ブエノスアイレス市内でも最大級の規模を誇り、ジョギングコースとしても人気があります。2006年には大規模な改修が行われ、より美しい公園へと生まれ変わりました。公園周辺には、ベルナルディーノ・リバダビア自然科学博物館、マリ・キュリー病院、レロイール研究所、地域気象台などの公共施設が集まっており、地域社会の中枢を担っています。

その他の見どころ

カバジート地区には、魅力的なスポットが他にもたくさんあります。サン・マルティン通り、ガオーナ通り、プエイレドン通りといった主要な通りを散策したり、シッド・カンペアドールのモニュメントを訪れたり、特徴的な赤いビルを見つけるのも楽しみの一つです。

カバジートの魅力

カバジートは、歴史的な建造物と現代的な生活が調和した、独特の雰囲気を持つ地区です。英国風の優雅さとアルゼンチンの活気が融合したこの街は、ブエノスアイレスを訪れた際にはぜひ訪れてみたい場所と言えるでしょう。

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