カフーを待ちわびて

カフーを待ちわびて

『カフーを待ちわびて』は、原田マハによる恋愛小説であり、著者のデビュー作として2006年に発表されました。第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、エイベックス・エンタテインメントにより映画化もされ、2009年に公開。有羽なぎさによって漫画化もされています。

タイトルの「カフー」とは、沖縄の方言で「良い知らせ」「幸せ」という意味を持ちます。この言葉が示すように、物語全体を包む温かい雰囲気が魅力です。2009年には、本作の外伝となる小説集『花々』が出版され、本編で深く描かれなかった登場人物たちの物語が紡がれました。

あらすじ

物語の舞台は、沖縄県与那喜島。雑貨店を営みながらのんびりと暮らす主人公、友寄明青の元に、見覚えのない「幸」という女性から手紙が届きます。数ヶ月前、旅先の神社で冗談半分で書いた絵馬に書いた「嫁に来ないか」という言葉を見た幸が、『その言葉が本当なら私をお嫁さんにして下さい』と手紙を送ってきたのです。戸惑いながらも、やがて幸と名乗る女性が島に現れ、明青の日常は穏やかに変化していきます。

登場人物

友寄 明青（ともよせ あきお）
演：玉山鉄二

与那喜島で雑貨店を営む35歳の男性。13年前に祖母から店を受け継ぎました。不慮の事故で左手が不自由。島の開発には反対の立場を取っています。

幸（さち）
演：マイコ

明青の元に手紙を送ってきた23歳の女性。色白で美しい容姿をしています。家事は苦手ですが、よく食べ、よく寝る、お転婆でミステリアスな女性。

カフー
明青の愛犬。黒いラブラドール・レトリバー。明青にとってかけがえのない家族です。

裏のおばあ
演：瀬名波孝子

明青の家の裏に住む、島唯一のユタ（霊媒師）。明青が幼い頃から面倒を見ています。

新垣 渡（あらがき わたる）
演：勝地涼

明青の幼なじみ。アガリクスの栽培をしており、カフーの母犬を飼っています。当初は開発に反対していましたが、後に賛成に転じます。

照屋 俊一（てるや しゅんいち）
演：尚玄

明青の幼なじみで、リゾート会社を経営する実業家。与那喜島のリゾート開発を計画しています。

田中 庄司（たなか しょうじ）
東京出身のダイビングショップ経営者。ダイビング好きが高じて島に移住。開発反対派の中心人物です。

映画

映画版では、原作の美しい風景描写と温かい人間関係が映像で表現されています。突然現れた幸と明青の交流を通して、島の自然や人々の優しさが描かれています。主題歌のmoumoon『EVERGREEN』も、映画の世界観を盛り上げています。

キャスト

上記登場人物の項を参照してください。

スタッフ

監督：中井庸友
原作：原田マハ
脚本：大島里美
音楽：池頼広
主題歌：moumoon 『EVERGREEN』


『カフーを待ちわびて』は、美しい沖縄の島を舞台に、手紙から始まる不思議な出会いと、ゆっくりと育まれる愛情を描いた心温まる物語です。読後にはきっと、優しい気持ちになれるでしょう。

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