カミーユ、恋はふたたび

『カミーユ、恋はふたたび』：過去への旅が織りなす再生の物語

『カミーユ、恋はふたたび』は、2012年に製作されたフランスのファンタジードラマ映画です。原題は『Camille redouble』、英題は『Camille Rewinds』。

物語

物語の主人公は、パリで暮らす40代の女優カミーユ。彼女は25年間を共に過ごした夫、エリックから突然、離婚を切り出され、深い動揺の淵に沈んでいました。そんな失意の中、20代になった娘に送り出されて参加した大晦日のパーティで、カミーユは酔いつぶれて意識を失ってしまいます。

病院のベッドで目覚めたカミーユは、周囲の様子に違和感を覚えます。見舞いに来たのは、既に他界しているはずの母親と、若い頃の父親でした。混乱しながらも、彼女は自分が15歳の高校生時代に戻っていることに気づきます。鏡に映る自分は40代のままですが、周囲の人々の目には、当時の15歳のカミーユとして映っているようでした。

自宅に戻り、戸惑いを覚えつつも、カミーユはかつての友人たちとの高校生活を再び送ることになります。それは同時に、自分に将来離婚を突きつけることになる、若き日のエリックと再会することを意味していました。過去に戻ったカミーユは、失われたはずの時間の中で、両親との再会、青春時代の友人たちとの交流、そして何よりも、未来の夫となるエリックとの関係性を一から見つめ直す機会を得ます。彼女は過去を変えることができるのか、あるいは過去を追体験することで未来への答えを見出すのか。ファンタジーの要素を織り交ぜながら、人生の選択、時間の流れ、そして人間関係の複雑さを描いていきます。

主要キャスト

本作を彩る主要な出演者たちです。

ノエミ・ルボフスキー - カミーユ
サミール・ゲスミ - エリック
ジュディット・シュムラ - ジョセファ（カミーユの同級生）
インディア・エール - アリス（カミーユの同級生）
ジュリア・フォール - ルイーズ（カミーユの同級生）
ヨランド・モロー - カミーユの母
ミシェル・ヴュイエルモーズ - カミーユの父
ドゥニ・ポダリデス - アルフォンス（物理学教師）
ヴァンサン・ラコスト - ヴァンサン
ジャン＝ピエール・レオ - 時計屋
マチュー・アマルリック - フランス文学教師

主演のノエミ・ルボフスキーは監督・脚本も兼任しており、自身の分身ともいえるカミーユという複雑なキャラクターを見事に演じ分けています。

受賞

本作は、権威ある映画祭でも評価されました。

第65回カンヌ国際映画祭 - SACD賞（監督週間）を受賞しました。

この受賞は、本作のユニークな視点と繊細な人間描写が高く評価されたことを示しています。

『カミーユ、恋はふたたび』は、単なるタイムスリップコメディに留まらず、人生の岐路に立つ女性が過去を追体験することで、失われた愛や自分自身との関係性を見つめ直し、再生へと向かう姿を描いた心温まる作品です。過去の選択や後悔と向き合い、未来への希望を見出すことの尊さを問いかけます。

もう一度検索