カミーユ・ド・ソワイエクール

カミーユ・ド・ソワイエクール：激動の時代を信仰に生きたカルメル会修道女

カミーユ・ド・ソワイエクール（1758年6月25日 - 1849年5月9日）は、フランス革命とナポレオンの時代を生きたカルメル会修道女です。裕福な貴族の娘として生まれ、修道女として生涯を捧げました。フランス革命の混乱期には投獄、迫害を受けながらも信仰を守り抜き、革命後には荒廃した修道院の再建に尽力しました。

生涯

ピカルディ地方の裕福な貴族の家に生まれたカミーユは、1784年にパリ・ゲレネ通りのカルメル会修道院に入り、「幼いイエスのカミーユ」と名乗りました。しかし、1789年にフランス革命が勃発すると、修道院は閉鎖され、1793年には革命政府によって投獄されるという苦難に見舞われます。獄中で母親を亡くし、父親も処刑されるという悲劇に見舞われましたが、国外に持ち出されていた財産が彼女に相続されたことが不幸中の幸いでした。

恐怖政治が終焉を迎え、平和が訪れると、カミーユは1797年に政府に没収されていた男子カルメル会修道院を買い取り、還俗していた修道女仲間と共に移り住み、修道生活を再開します。しかし、ナポレオン・ボナパルトが台頭すると、再び平服での修道生活を余儀なくされます。

カミーユは相続した財産を修道院の復興に惜しみなく費やし、1798年から1807年にかけてフランス各地の修道院を再建しました。その活動はナポレオンの逆鱗に触れ、1813年には、ナポレオンによって監禁されていたローマ教皇ピウス7世を援助していたことが発覚し逮捕されます。厳しい尋問を受けた後、パリから追放され、ギーズに退きました。1814年、ナポレオンが退位しエルバ島に流されると、カミーユはパリに戻り、数名のカルメル会士と共に修道生活を再開します。しかし、1815年にナポレオンがエルバ島から脱出し「百日天下」を始めると、修道院は弾圧を受け、解散させられてしまいます。

ナポレオンの失脚後、カミーユはヴォジラール通りの修道院を再開し、1845年にはサクス大通りの一地区に移転させました。1849年、91歳でその生涯を閉じました。

死後

カミーユの死後、その信仰と慈善活動は高く評価され、1935年にはカトリック教会によって列福調査が開始されました。

参考文献

トマス・ロアバック 『カリットへの旅』 サンパウロ、2003年

関連項目

フランス革命
* カルメル会

カミーユ・ド・ソワイエクールは、激動の時代に翻弄されながらも、信仰を貫き、修道院の復興に尽力した女性でした。彼女の生涯は、困難な状況においても希望を失わず、信念を貫くことの大切さを教えてくれます。

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