カメラグランプリ

カメラグランプリとは

カメラグランプリは、日本のカメラ業界における最も重要な賞の一つであり、その年の最も優れたスチルカメラに贈られます。この賞は、主要なカメラ・写真関連雑誌の編集者で構成されるカメラ記者クラブによって主催されています。

概要

毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間に日本国内で発売された新しいスチルカメラの中から、設計思想、デザイン、機能性、操作性、安全性、および基本的な要素を総合的に評価し、最も優れた製品に授与されます。この賞は、日本のカメラ業界において非常に重要な位置づけであり、カメラメーカーにとって大変な栄誉とされています。対象となるカメラは、その年度内に一般のユーザーが日本国内で購入できるものである必要があります。

選考では、先進的でユーザーに強く訴えかける「光る特徴」を持つカメラが選ばれる傾向があります。第1回（1984年）の受賞機種は、日本光学工業（現ニコン）の「ニコンFA」でした。近年では、第22回（2005年）にコニカミノルタの「α-7 DIGITAL」、第23回（2006年）にニコンの「D200」が受賞しています。第24回（2007年）のペンタックス「K10D」は、他の機種を圧倒する大差で受賞しました。この年には、ノミネートされた機種の中にフィルム一眼レフカメラが初めて一台もなかったことも特筆されます。

2008年には、カメラグランプリ25周年を記念して、一般ユーザーによる電子メール投票で選出される「あなたが選ぶベストカメラ賞」が新たに制定されました。同時に、従来のカメラグランプリは「大賞」に改められました。第1回のベストカメラ賞は、大賞と同じく「ニコンD3」が受賞しました。

2011年の第28回からは、ロゴマークが一新され、新たに「レンズ賞」が設けられました。第1回の受賞レンズは、タムロンの「18-270mm F3.5-6.3 Di II VC PZD」です。

過去の受賞機種や選考理由の詳細については、公式ウェブサイトの外部リンクを参照してください。

運営と選考

カメラ記者クラブ内にその年の「カメラグランプリ実行委員会」が組織され、運営は実行委員長、事務局長、事務局次長の3名が中心となって行われます。選考委員は、カメラ記者クラブ加盟誌の編集長、クラブメンバー、および実行委員会が委嘱した外部選考委員と特別選考委員の計50名（2007年度）で構成されます。外部選考委員と特別選考委員は、写真関連のメカニズムライター、写真家、学識経験者、写真関連団体の代表者などから、毎年選出されます。選考委員の選出には、実行委員会の過半数の賛成が必要です。

選考は、ノミネートされた対象機種の中から、選考委員が3機種を選び、1位（5点）、2位（3点）、3位（1点）の順位と選考理由を記載して実行委員会に投票します。投票は得点制で、最高得点を挙げた機種がグランプリとなります。投票は記名で行われますが、選考過程は公表されず、結果のみが公表されます。

発表は、原則として毎年5月20日発売の各カメラ誌、新聞、ウェブサイトなどで行われます。2007年からは、これらのメディア発表に先立ち、記者発表会が開催されるようになり、国内だけでなく海外にも広く情報が発信されています。授賞式は毎年6月1日（「写真の日」）に開催され、恒例行事の一つとなっています。

カメラ記者クラブ賞

1990年には、コンパクトカメラや写真関連アクセサリーにも対象を広げた「カメラ記者クラブ特別賞」が制定されました。第1回に選ばれたのは、コニカ（現コニカミノルタ）のコンパクトカメラ「KANPAI」でした。

この賞は、カメラグランプリの受賞機種を除くすべての写真関連製品・機材を対象とし、大衆性、話題性、先進性に優れた製品がカメラ記者クラブ会員の合議によって選ばれます。カメラグランプリと同時に発表されるため混同されることもありますが、対象機種も選考メンバーも異なり、カメラグランプリとは異なる視点を持つ賞です。

デジタル、アナログを問わず、レンズ、フィルム、ソフトウェアなど写真に関連するすべての製品が対象であり、これらの多様な商品に触れる機会が多いカメラ記者クラブメンバーが選ぶという点で、非常に独自性の高い賞となっています。近年では、第17回（2006年）にリコーの「GRデジタル」とコシナの「ツァイス・イコン」、第18回（2007年）にはソニーの「α100」とアドビシステムズの「Photoshop Lightroom」が受賞しています。ソフトウェア製品の受賞は、この時が初めてでした。

2008年からは、「カメラ記者クラブ特別賞」から「カメラ記者クラブ賞」に名称が変更されました。

受賞機一覧

（受賞機一覧については、公式ウェブサイトの外部リンクを参照してください）

脚注

（脚注については、公式ウェブサイトの外部リンクを参照してください）

関連項目

カメラ記者クラブ

外部リンク

カメラ記者クラブ公式サイトへのリンク'>カメラ記者クラブ公式サイト

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