カメレオン (ハロウィンのアルバム)

アルバム『カメレオン』の概要

1993年にリリースされた『カメレオン』は、ドイツ出身のヘヴィメタルバンド、ハロウィンによる通算5作目のアルバムです。このアルバムは、日本とイギリスでは前作から約2年ぶり、他の欧州地域では1年ぶりのリリースとなりました。プロデュースはバンド自身とトミー・ハンセンの共同名義によるもので、アルバム全体がバンドの音楽的成長を反映しています。

音楽スタイル

本作の特徴として、過去のアルバムで確立されたメロディック・パワーメタルのスタイルからの脱却が挙げられます。特に『Keeper Of The Seven Keys Part1』や『Keeper Of The Seven Keys Part2』から派生した音楽性とは異なり、ハルシネーションのような新しい方向性が打ち出されています。ホーン・セクションの採用やフォークロック、カントリーロックの要素が曲に加わっており、これまでのハロウィンとは一線を画す独自の音楽スタイルが展開されました。

特に、マイケル・ヴァイカートがハロウィン加入前に作曲した「First Time」は、彼の過去のグループPOWERFOOLの楽曲をリメイクしたものであり、新たな解釈を与えられています。

曲の構成

全12曲からなるアルバムは、バンドのソングライターであるキスク、ヴァイカート、グラポウがそれぞれ4曲を持ち寄り構成されています。中でも、「ファースト・タイム」や「ホェン・ザ・シナー」のような楽曲は、彼らの個性を強く反映した作品です。一方で、いくつかの楽曲にのみハードロックの要素が残っているものの、全体的にはよりラフでレイドバックしたロックン・ロールな展開が目立つ仕上がりとなっています。

これにより、従来のハロウィンファンからは「駄作」との評価を受けることもありましたが、当のキスクは個人的にこのアルバムを非常に気に入っていると語っています。彼は当時、ヘヴィメタルやハードロックに対してあまり好意的ではなかったため、このアルバムが彼にとって特別な意味を持つものであることが分かります。

収録曲一覧

• - ファースト・タイム (First Time)
• - ホェン・ザ・シナー (When the Sinner)
• - アイ・ドント・ウォナ・クライ・ノー・モア (I Don't Wanna Cry No More)
• - クレイジー・キャット (Crazy Cat)
• - ジャイアンツ (Giants)
• - ウィンドミル (Windmill)
• - レヴォリューション・ナウ (Revolution Now)
• - イン・ザ・ナイト (In The Night)
• - ミュージック (Music)
• - ステップ・アウト・オブ・ヘル (Step Out of Hell)
• - アイ・ビリーヴ (I Believe)
• - ロンギング (Longing)

また、エクスパンディッド・エディションにはボーナスとして数曲が収録され、シングルのカップリング曲が含まれています。このように、『カメレオン』は音楽的挑戦と成長をテーマにした特徴的な作品として、ハロウィンのディスコグラフィーにおいて特別な位置を占めています。

参加ミュージシャン

• - マイケル・キスク (ボーカル)
• - マイケル・ヴァイカート (ギター)
• - ローランド・グラポウ (ギター)
• - マーカス・グロスコフ (ベース)
• - インゴ・シュヴィヒテンバーグ (ドラム)

このアルバムは今もなお賛否を呼ぶ作品ではありますが、バンドのフレッシュなアプローチを感じさせるアートとして、多くのファンに愛されています。

もう一度検索