カラワン楽団

カラワン楽団

カラワン楽団（カラワンがくだん）は、1973年にタイの民主化運動を背景に結成されたフォークロックバンドです。このバンドは、カラバオによって広まった「プレーンプアチウィット」（生きるための歌）のジャンルを創出しました。メンバーは多彩で、スラチャイ・ジャンティマトンが主なボーカルとアコースティック・ギターを担当し、ウィラサク・スントンシーがギターとボーカルを、モンコン・ウトックがボーカル及びタイの伝統楽器を演奏、トングラーン・タナーがリードギターとヴァイオリンを担当します。

音楽スタイル

カラワン楽団は、タイの民族音楽と西洋のフォークソングを融合した音楽スタイルで知られています。初期の楽曲の多くは、アメリカやイギリスのフォークソングのメロディを元に、タイ語の政治的な歌詞を乗せて歌うスタイルが特徴でした。中には「Song to Woody」や「Yellow Bird」といった有名な楽曲もありました。また、マウラムのリズムを取り入れたテンポの速い楽曲もあり、時にはタイの伝統楽器が加わることもありました。

歴史

カラワン楽団の基盤は、1973年に活動をしていたラムカムヘン大学の学生運動から始まります。スラチャイとウィラサクは、当時の政権に対抗する農民の声に共感し、その思いを音楽で表現しました。その後、モンコンとトングラーンが加入し、バンドとしての形が整いました。最も人気のある楽曲、『Khon Kap Khwai（人と水牛）』では、政治的なメッセージが織り込まれており、農民と水牛の関係を描いています。

1976年の社会的不安定化を受けて、メンバーは一時的に活動を休止し、1979年の恩赦を経て再び集結します。1982年にはアルバム『ドゥアンペン』がリリースされ、その後も多くの作品を世に送り出しました。特に1985年以降は、電化され、さまざまな音楽ジャンルを取り入れるようになりました。

彼らは日本とも深い関係を持ち、1982年から1986年にかけて日本での公演が行われ、その後も交流を続けました。ライブパフォーマンスは日本でも人気を博し、2004年には30周年のツアーを実施しました。

解散と再生

1980年代末にカラワン楽団は解散を決断し、さよならコンサートを開催しましたが、その後も何度か再集結しました。新しい音源のリリースは少なくなり、2013年以降は抗議運動に参加するなど、政治的な立場も強調するようになりました。彼らは現代のタイ音楽界において、重要な位置を占めています。常に変革を繰り返しながらも、伝統と現代を行き来する姿勢は、今も多くのファンに支持されています。今後も彼らの音楽活動から目が離せません。

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