カリフォルニア・ドールズ

カリフォルニア・ドールズ：栄光への血みどろの道

ロバート・アルドリッチ監督による1981年公開のアメリカ映画『カリフォルニア・ドールズ』（原題：...All the Marbles）は、女子プロレスラーたちの過酷な現実と、栄光への執念を描いたスポーツアクション映画です。アルドリッチ監督の遺作として知られる本作は、華やかなリングの裏に潜む暴力と策略、そしてプロレスラーたちの生き様をリアルに描き出しています。

物語の中心は、モリーとアイリスからなる女子プロレス・タッグチーム「カリフォルニア・ドールズ」と、彼らのマネージャーであるハリー・シアーズです。彼らは常に金欠に悩まされながらも、スターダムへの道を諦めずに奮闘します。しかし、プロモーターの欺瞞や、理不尽な扱い、そして絶え間ない金銭問題に苦しめられます。チーム内部での衝突も少なくありません。

そんな中、カリフォルニア・ドールズはアフリカ系アメリカ人のレスラーチーム「トレド・タイガース」との対戦に臨みます。当初は敗北が予想されたこの試合でしたが、タイガースの卑劣なファールプレーに激昂したドールズは、奇跡的な勝利を掴みます。しかし、この勝利は束の間のものでした。タイガースの復讐、そしてプロモーターからの理不尽な要求、泥レスリングへの参加など、次々と困難が襲いかかります。

希望の光が見えてきたのは、新聞記事で知ったビッグ・マムとスーパースターによるワールドカップの試合の存在でした。勝者には25,000ドル、敗者にも10,000ドルの賞金が用意されており、カリフォルニア・ドールズは前座試合への出場を熱望します。ネバダ州リノのMGMグランドホテルでの試合は、彼らにとって知名度を高める絶好のチャンスであり、高収入の試合への登竜門となる可能性があったからです。

ハリーはプロモーターに交渉し、前座で再びトレド・タイガースと対戦することになります。しかし、結果は惨敗。夢は潰えかかるかに思われました。しかし、アイリスはプロモーターのシスコとの取引によって、リノでの再戦の権利を獲得します。相手は再びトレド・タイガース。賞金10,000ドル、勝者総取りという条件です。

リノでの試合は、カリフォルニア・ドールズへの圧倒的な観客の応援の中、幕を開けます。華麗な技と激しい殴り合いが展開される中、ドールズは正々堂々戦いますが、タイガースは卑劣なファールプレーを繰り返します。レフリーはシスコに買収されており、タイガースの反則を見逃します。モリーがタイガースの一人を圧倒するも、レフリーはドールズの勝利を認めません。その後も、タイガースの反則攻撃が続き、レフリーは見て見ぬふりを続けます。

ついにアイリスは怒り狂ってレフリーを殴りつけ、レフリーはシスコへの訴えに出ます。試合は場外乱闘に発展。タイガースはドールズの失格を狙いますが、ドールズはリングに帰還。一方、タイガースは失格となるべきでしたが、レフリーは依然としてドールズの勝利を認めません。しかし、観客からの激しい抗議がレフリーに圧力をかけ、ついにレフリーはドールズの勝利を宣言せざるを得なくなります。

この映画は、華やかな世界の裏側にある残酷さと、それでもなお夢を追いかけるプロレスラーたちの姿を、力強く描き出しています。金銭、暴力、策略が渦巻く世界で、カリフォルニア・ドールズが掴む栄光とは、一体何だったのでしょうか？

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