カリン・バルツァー

カリン・バルツァーの生涯と業績

カリン・バルツァー（Karin Balzer、1938年6月5日 - 2019年12月17日）は、旧東ドイツ出身の陸上競技選手であり、特に80mハードルでの活躍が際立っています。彼女は1964年の東京オリンピックにおいてこの種目で金メダルを獲得したことで、その名を世に知らしめました。

初期のキャリア

カリン・リヒェルトとして知られていた彼女は、若い頃から陸上競技に親しみ、さまざまな種目に挑戦しました。その中で、特に80mハードルが自らに最適であることを認識し、この競技に専念することを決めました。1960年にはローマオリンピックの代表に選出されましたが、残念ながら決勝には進出できませんでした。

1961年に元棒高跳選手のカール＝ハインツ・バルツァーと結婚。彼女は短期間ではあったものの、東ドイツからの脱出を試みるも、数週間後には帰国しました。この tumultuousな状況の中でも、彼女は1962年のヨーロッパ選手権において80mハードルで優勝を果たしました。

成功の道

1964年には、80mハードルの競技において世界タイ記録を樹立。五種競技での成功を収めましたが、以降は大きな大会での五種競技には出場しませんでした。同年の東京オリンピックでは、ポーランドのテレサ・チェプラとオーストラリアのパム・キルボーンとの接戦を繰り広げ、僅差で金メダルを獲得します。この決勝では、電気掲示においても3位とのタイム差がわずか100分の2秒という緊迫した展開が繰り広げられました。

その後、1966年のヨーロッパ選手権では2連覇を達成。しかし、1968年のメキシコシティオリンピックでは、オーストラリアのモーリン・ケアードに僅か0秒3差で5位に終わりました。1969年にはハードルの距離が80mから100mに引き上げられましたが、カリンはこの年に13秒3の世界新記録を打ち立て、9月のヨーロッパ選手権でも優勝を果たします。

オリンピック出場と悲劇

1972年のミュンヘンオリンピックでは、カリンは4大会連続でオリンピックに出場しますが、この大会の直前に長男が事故に遭い昏睡状態になります。彼女の夫はこの悲劇を知らせず、カリンは決勝戦に臨みました。結果、彼女は銅メダルを獲得しましたが、個人的な喪失感がいかに大きかったかは計り知れません。

家族と後の活動

カリン・バルツァーの次男、フォーク・バルツァーもハードル競技の選手として名を馳せ、1998年のヨーロッパ選手権で110mハードルの2位に輝きました。

2019年12月17日、カリン・バルツァーは病気のため81歳でこの世を去った。彼女の陸上競技における功績とその存在は、後世の選手たちに引き継がれています。彼女の献身と努力は、スポーツ界における女性の地位向上にも大きな影響を与えました。

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