カリートの道

映画『カリートの道』の詳細

『カリートの道』（原題：Carlito's Way）は、1993年に公開されたアメリカの犯罪映画で、監督はブライアン・デ・パルマが務めています。アル・パチーノやショーン・ペンといった豪華なキャストが揃い、ニューヨーク州の元最高裁判所判事エドウィン・トレスの小説を原作にしています。この作品は、ゴールデングローブ賞に2部門ノミネートされるなど、その評価の高さでも知られています。

ストーリーの概要

物語は、元麻薬王のカリート・ブリガンテが主役となって展開します。カリートは、親友である弁護士デイヴ・クラインフェルドの支えにより、重刑から早期に出所します。彼は、新たな生活としてディスコの経営を始めますが、出所直後に見た街は変貌を遂げ、裏切り者や無慈悲な暴力に満ちていることを知ります。

街の状況は彼のかつての知人たちに影響を及ぼし、麻薬取引での残虐な殺人が蔓延し、かつて信じていた仲間すら裏切りに走ります。そんな不信感に苦しみながらも、カリートはバハマでの平穏な人生を夢見て貯金を始めます。また、かつての恋人ゲイルとの復縁を目指して、ますます夢に近づこうとするのです。

しかし、彼の新たな生活はそう簡単ではありません。クラインフェルドが、「マフィアのボスの脱獄を手伝ってほしい」という誘いを持ちかけてきます。カリートはこの依頼を断ることができず、ゲイルの反対を無視して承諾します。計画当日、クラインフェルドの行動が予想を超える暴走となり、事態は思わぬ方向へ進展します。

カリートは彼の行動に激怒し、その場を去りますが、その後に待ち受けていたのは裏切りの連鎖であり、彼は再び危険な状況に直面することになります。検察からも呼び出しを受け、彼はクラインフェルドが多くの犯罪に加担していることや、彼が自分を裏切ろうとしていることを知らされます。

カリートは一連の騒動から逃れるため、すぐにバハマに向かおうと決意します。しかし、彼の前には再び運命が立ちはだかります。彼が目指した駅での激しい銃撃戦、そして自身の運命を左右する最後の瞬間が待ち受けているのです。

映画の評価

この作品は、デ・パルマ監督らしい緊迫感のある演出と、パチーノの卓越した演技で高く評価されています。Rotten Tomatoesでは81%の支持率を得るなど、批評家や観客からも高い評価を受けています。また、映画音楽としてもパトリック・ドイルのオリジナルスコアが使われ、作品の効果的な雰囲気作りに一役買っています。

関連作品

『カリートの道』の後日譚にあたる『カリートの道 暗黒街の抗争』が2003年に制作されましたが、劇場公開されることはありませんでした。この映画は、カリートの物語の続きを描いた作品でもあります。

『カリートの道』はただの犯罪映画ではなく、過去を背負った人間が新たな未来を見据えながらも運命の渦に巻き込まれる様を描いており、観る者に深い感銘を与えます。

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