カルカソンヌ

カルカソンヌ：歴史と伝説が息づく城塞都市

カルカソンヌは、フランス南部のオクシタニー地域圏、オード県に位置する都市です。その名は、難攻不落の城塞都市として、ヨーロッパ史に深く刻まれています。古代ローマ時代に都市の基盤が築かれ、中世には二重の城壁を持つ要塞都市へと発展しました。

二重の城壁に守られたシテ

カルカソンヌの最大の特徴は、二重の城壁に囲まれた「シテ」と呼ばれる旧市街です。このシテは、丘の上に築かれた城塞都市で、外側の城壁と内側の城壁によって強固に守られています。中世の時代には、この城塞都市が地域の政治・経済・軍事の中心地として機能しました。

シテは、19世紀に建築家ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュクによって修復され、その美しい姿を取り戻しました。現在では、年間数百万人の観光客が訪れる人気の観光スポットとなっています。

伝説の街の名の由来

カルカソンヌという名前には、興味深い伝説が残っています。8世紀、カール大帝がこの都市を攻め落とそうとした際、都市を治めていたカルカス夫人が知恵を絞り、籠城戦を指揮しました。長い籠城の末、カール大帝が撤退を決めた時、カルカス夫人は勝利を告げる鐘を鳴らしました。「カルカスが鐘を鳴らす (Carcas sonne)」という言葉が、カルカソンヌの名の由来になったと言われています。

グルメ：カスレのルーツ

カルカソンヌは、美味しい郷土料理でも知られています。特に有名なのが「カスレ」と呼ばれる煮込み料理です。カスレは、豆、雑穀、豚肉、ソーセージ、鴨肉などを煮込んだもので、カルカソンヌの厳しい冬を乗り越えるための滋養豊かな料理として親しまれてきました。伝説によると、カール大帝の軍勢に包囲された際、市民が残っていた食材を持ち寄り、大きな鍋で煮込んだことがカスレのルーツになったと言われています。

周辺の防衛拠点

カルカソンヌは、周辺の城塞と連携し、強固な防衛網を形成していました。これらの城塞は、「カルカソンヌの5人息子」と呼ばれ、難攻不落の要塞として知られています。

アギラール城
ペルペルテューズ城
ピュイローランス城
ケリビュス城
* テルム城

スポーツ

南フランスの他の地域と同様に、カルカソンヌではラグビーが盛んです。地元のラグビークラブ「USカルカソンヌ」は、1925年に創立され、現在は2部リーグに所属しています。

世界遺産

カルカソンヌのシテは、1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。その美しい景観と歴史的な価値は、世界中で高く評価されています。

カルカソンヌは、歴史、伝説、グルメ、そしてスポーツが融合した魅力的な都市です。中世の面影を残す城塞都市を訪れ、その豊かな歴史と文化に触れてみてはいかがでしょうか。

もう一度検索