カルムイク自治州

カルムイク自治州は、ソビエト連邦内のロシア・ソビエト連邦社会主義共和国内に設置された自治州であり、現在のカルムイク共和国の領域に存在していました。この自治州は、カルムイク人の自治を目的として、二度にわたって設立されたという特異な歴史を持っています。

最初の設置は1920年11月4日であり、この時の首都はアストラハンに置かれました。しかし、1928年6月には低ボルガ地方に組み込まれ、その後1934年1月には低ボルガ地方がサラトフ地方とスターリングラード地方に分割されたことで、カルムイク自治州はスターリングラード地方に所属することになりました。この時期、自治州は地方行政区画の変更に伴い、その管轄も変動しました。さらに、1935年10月20日には、カルムイク自治州はカルムイク自治ソビエト社会主義共和国へと昇格を果たしました。

しかし、この自治共和国としての地位は長くは続きませんでした。第二次世界大戦中、ドイツ軍によって占領されたことが原因で、1943年に廃止されるという悲劇に見舞われました。この廃止は、戦争による社会情勢の激変を如実に示す出来事と言えるでしょう。

戦後、カルムイク自治州は1957年1月9日にスタヴロポリ地方の一部として再設置されました。この再設置は、戦後の混乱期を経て、カルムイク人の自治に対する要望が再び高まったことを示しています。そして、1958年6月29日には、再びカルムイク自治ソビエト社会主義共和国に昇格し、スタヴロポリ沿海地方からも分離されることになりました。この昇格は、カルムイク人の自治権が再び認められ、以前の地位を回復したことを意味します。

この一連の歴史は、カルムイク自治州がソビエト連邦の構成体として、複雑な変遷を経てきたことを物語っています。設立、廃止、再設置、そして最終的な自治共和国への昇格は、カルムイク人の民族としてのアイデンティティと自治に対する強い願望を映し出すものです。この歴史は、ソビエト連邦における民族自治の難しさと、その多様な形を理解する上で重要な事例と言えるでしょう。

関連情報として、現在のカルムイク共和国についても参照することで、カルムイク自治州が辿った歴史的な背景をより深く理解することができます。

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