カルラス・プッチダモン

カルラス・プッチダモン：カタルーニャ独立運動の旗手

カルラス・プッチダモン・イ・カザマジョー（Carles Puigdemont i Casamajó）は、1962年12月29日、スペイン・ジローナ県アメールに生まれました。ジャーナリスト、政治家として活動し、カタルーニャ独立運動の中心的役割を担ってきました。

ジャーナリストとしての出発

プッチダモンは、幼少期からジャーナリズムに関心を持ち、地元の新聞に記事を寄稿していました。ジローナ大学でカタルーニャ語学を学びましたが、ジャーナリストとしてのキャリアを優先するために中退。アル・プン紙などのメディアで活躍し、1992年のバルセロナオリンピックでは卓越した報道を行いました。また、カタルーニャ・ジャーナリスト協会のメンバーとして、著作も発表しています。

1990年代には、ヨーロッパ各地で新情報技術の導入に携わり、1999年にはカタルーニャ通信社（ACN）を設立し、2002年までその代表を務めました。その後、ジローナ文化の家の責任者、カタロニア・トゥデイ紙のCEOなどを歴任し、ジャーナリストとしての地位を確立しました。

政治家への転身とカタルーニャ独立運動

2006年、プッチダモンは[カタルーニャ州]]議会議員に初当選し、政界へと足を踏み入れました。彼は、フランコ体制崩壊後の民主化の時代に、「カタルーニャの独立」を目標に政治活動を開始。[[カタルーニャ民主集中]に参加し、民族主義青年団の創設にも関わりました。

2011年にはジローナ市長に就任し、2016年にはカタルーニャ州首相に選出されました。首相就任後、プッチダモンはカタルーニャ独立に向けた動きを加速させました。2017年10月1日には、独立を問う住民投票を実施し、賛成多数の結果を受けて独立を宣言しました。しかし、スペイン中央政府はこれを認めず、自治権を停止。プッチダモンは州首相を解任されました。

国外脱出と亡命生活

州首相解任後、プッチダモンは国家反逆罪などで起訴され、ベルギーへと脱出しました。彼は亡命を否定し、中央政府による解任を受け入れないと表明しましたが、スペイン政府はプッチダモンを「逃亡者」と見なしました。その後も、AECATなどの通信システムやSNSを通じて、カタルーニャの独立を訴え続けました。

欧州議会議員としての活動と逮捕

2019年、プッチダモンは欧州議会議員選挙に出馬し、当選を果たしました。しかし、スペイン当局からの逮捕状が出ているため、議員としての活動は困難を伴いました。2021年には、欧州議会で不逮捕特権を剥奪され、イタリアで一時拘束されるなど、厳しい状況に置かれています。

その後

2023年、スペインのサンチェス首相は、続投を支持する条件としてカタルーニャ独立派への恩赦を求められました。この取引が成立し、プッチダモンを含む独立運動家への恩赦法が成立する可能性が出てきています。しかし、2024年8月にスペインへ帰国したプッチダモンは再びベルギーへ出国しており、状況は依然として不透明です。

カルラス・プッチダモンは、カタルーニャ独立運動の象徴的な存在として、国内外で大きな影響力を持っています。彼の行動は、スペインの政治情勢だけでなく、ヨーロッパ全体の政治にも影響を与え続けています。

人物

ルーマニア人ジャーナリストのマルセラ・トポルと結婚しており、2子がいる。

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