カルロ3世 (ナポリ王)

カルロ3世の生涯と影響

カルロ3世（Carlo III, 1345年 - 1386年）は、アンジュー家に属する著名な君主で、ナポリ王およびハンガリー王として知られています。ナポリ王としては1382年から1386年まで在位し、ハンガリー王としてはカーロイ2世の名で1385年から1386年までその席を占めました。

家系と背景

カルロ3世は、ナポリ王ロベルトの末弟であるドゥラッツォ公ジョヴァンニの孫にあたります。父親はグラヴィーナ伯ルイージで、ジョヴァンニの次男です。彼はアンジュー家の傍系出身であり、祖母からもナポリ王カルロ2世の曾孫となります。彼の家系は複雑であり、時代背景もあって権力の争いが絶えませんでした。

彼は1369年に同族のマルゲリータ・ディ・ドゥラッツォと結婚します。この結婚により、彼はシャブリーニ家の女王ジョヴァンナ1世とも関係が深まりました。マルゲリータはジョヴァンナの姪であり、これによりカルロはナポリの王位にさらに近づくことになります。

政争の中での台頭

その後、同族であるハンガリーおよびポーランドの王ラヨシュ1世がナポリ王位を狙い、ジョヴァンナ1世と対立していました。1342年にジョヴァンナ1世が攻撃を受けた際、カルロはラヨシュ1世の命を受け、1382年に彼女を暗殺します。これによりカルロはナポリ王に即位し、カルロ3世となります。しかし、これに伴い彼は養子ルイ1世・ダンジューとの争いにも巻き込まれました。最終的には1384年にルイ1世が死ぬことで、この抗争は終息をみました。

同年、ラヨシュ1世は男子の後継者を残さずに死去します。これにより、ラヨシュの長女マーリアとその夫ジギスムントが王位を継承することになりますが、国内では反対も多かったため、カルロ3世は1385年に反対派から迎えられ、ハンガリー王カーロイ2世として即位することになりました。

薄幸の王

カルロ3世の治世は長く続きませんでした。彼は1386年にマーリアの母、エリザベタ・コトロマニッチによって暗殺されてしまいます。彼の暗殺によって、マーリアとジギスムントは再び王位に戻ってきました。彼の死後、ナポリでは教会の教派の対立が続きました。教会内の権力争いも影響し、カルロ3世の治世は長期的な王位の争奪戦の一環と見なされています。

家族と子孫

カルロ3世は妻マルゲリータとの間に1男2女をもうけました。

• - マリア（1369年 - 1371年）
• - ジョヴァンナ2世（1373年 - 1435年） - ナポリ女王
• - ラディズラーオ1世（1377年 - 1414年） - ナポリ王

彼の血筋もまた、後のナポリ王国やハンガリー王国において重要な役割を果たし続けました。

参考文献

• - バーバラ・W・タックマン、徳永守儀訳『遠い鏡』 朝日出版社、2013年

関連項目

• - ラヨシュ1世のナポリ遠征

カルロ3世はその短い治世にも関わらず、複雑な謀略と家族関係によって歴史の舞台に大きな足跡を残しました。彼の人生は、権力、裏切り、そして運命のいたずらを象徴しています。

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