カレンシー

Currensy (カレンシー) は、アメリカ合衆国ルイジアナ州ニューオーリンズ出身の著名なラッパー、ソングライター、そして起業家である。本名をシャンテ・スコット・フランクリン (Shante Scott Franklin) といい、1981年4月4日にこの世に生を受けた。彼の公式なアーティスト表記はCurren$yである。

彼の音楽キャリアは、2002年にベテランヒップホップアーティスト、Master Pが率いるノーリミット・レコード (No Limit Records) と契約したことから始まった。ここで彼は、Master Pのクルーである504 Boyzの一員として活動を展開する。このグループは数年間活動を続けた後、2005年に解散を迎えた。

その後、2004年には、当時リル・ウェイン (Lil Wayne) ら人気アーティストが多数所属していた大手メジャーレーベル、キャッシュ・マネー・レコード (Cash Money Records) と新たに契約を結ぶ。しかし、ここで計画されていたアルバム『Music To Fly To』は、2006年にリリースが予定されていたにもかかわらず、発表を前に彼がレーベルを離れることとなり、幻の作品となった。

キャッシュ・マネーからの離脱を経て、Currensyは新たな動きを見せる。2009年にはアマルガム・デジタル (Amalgam Digital) と契約。ここから、彼のデビューアルバムとなる『This Ain't No Mixtape』と、それに続くセカンドアルバム『Jet Files』を、いずれもデジタル形式でのみ発表した。この時期の活動は、彼のキャリアにおける独立した作品発表の道を切り拓くものとなった。

続く2010年には、『Pilot Talk』と『Pilot Talk II』という2枚のアルバムを相次いで発表。これらの作品は、Roc-a-Fella、DD172、Def Jam Recordingsといった複数のレーベルからリリースされ、彼の独特なスタイルとプロダクションへのこだわりが多くの注目を集めることとなる。特に「Pilot Talk」シリーズは、彼の代表的な作品群としてファンから高く評価されるようになった。

2011年初頭、Currensyは大手メジャーレーベルであるワーナー・ブラザース・レコード (Warner Bros. Records) との契約を締結したことを発表し、そのキャリアは新たな段階へと進む。同年4月8日には、プロデューサーのThe Alchemistとの共同制作によるアルバム『Covert Coup』をリリース。さらに同年6月28日には、ワーナーからの最初のスタジオアルバムとなる5作目のオリジナル作品『Weekend at Burnie's』を発表した。このアルバムは、リリース初週に約23,000枚を売り上げ、全米ビルボード200チャートで初登場22位を記録するなど、商業的な成功を収めた。

メジャーでの成功を経て、Currensyはその後も精力的に作品を発表し続けている。2012年6月5日には6作目となる『The Stoned Immaculate』をリリース。2015年には4月4日に7作目『Pilot Talk III』、同年12月4日には8作目『Canal Street Confidential』と、同じ年に2枚のスタジオアルバムを発表するなど、その制作ペースは衰えを知らない。

さらに近年では、2019年12月20日に9作目のスタジオアルバム『Back at Burnie's』をリリースするなど、コンスタントに作品供給を続けるアーティストとして知られている。
ラッパー、ソングライターとしての活動に加え、起業家としても活動している彼は、自身の音楽活動を基盤に、様々なプロジェクトを展開している。複数のレーベルを渡り歩きながらも、一貫して高品質な作品を発表し続け、アンダーグラウンドとメインストリームの両方で支持を集める稀有な存在である。

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