カレン・グラッスル

カレン・グラッスル：『大草原の小さな家』の母から女権活動家へ

カレン・グラッスル（Karen Grassle、1942年2月25日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州バークレー出身の女優です。彼女は、大人気テレビドラマ『大草原の小さな家』で、主人公ローラの母、キャロライン・インガルス役を演じたことで広く知られています。日本では、名字の読み方が「グラッスル」と誤って広まっていますが、実際の発音は「グラスリー」に近いです。

生い立ちとキャリア

グラッスルは、6歳の時にテレビドラマ『Love of Life』にゲスト出演し、早くから演技の世界に足を踏み入れました。カリフォルニア大学バークレー校で演劇を学んだ後、ロンドンに留学し、さらに演技に磨きをかけました。1969年には、舞台『The Gingham Dog』でブロードウェイデビューを果たし、着実にキャリアを積み重ねていきました。

そして、彼女の人生を大きく変えたのが、『大草原の小さな家』のキャロライン・インガルス役です。オーディションで見事この役を射止め、その温かく、芯の強い母親像は、多くの視聴者の心を捉えました。マイケル・ランドンは彼女のオーディション時を振り返り、「当時の女性が持つ誇り高さや清楚さを感じた」と語っています。また、ローラ役のメリッサ・ギルバートも、グラッスルを「絶世の美人で、私の憧れだった」と称賛し、彼女から大きな影響を受けたと述べています。

女権主義者として

グラッスルは、単なる女優としてだけでなく、女権主義者としても知られています。彼女は、脚本と主演を務めたNBCのテレビ映画『Battered』で、夫から暴力を受ける女性たちの苦悩を描き、社会に問題提起しました。彼女自身は、インタビューで夫から暴力を受けた経験はないと語っていますが、過去の交際相手から暴力を振るわれた経験があり、「男に暴力を振るわれる恐ろしさは身に染みて分かっている」と述べています。

『大草原の小さな家』の舞台裏

『大草原の小さな家』での活躍は、彼女に大きな名声をもたらしましたが、その裏では様々な苦労もありました。マイケル・ランドンとの不仲説や、自身の役柄に対する不満などが囁かれました。メアリー役のメリッサ・スー・アンダーソンは、グラッスルが役柄に腹を立て、セットから出て楽屋に閉じこもってしまったエピソードを暴露しています。しかし、グラッスル本人は、2006年のインタビューで「両親としてではなく、カップルとしてマイケルといるのは凄く楽しかった」と語り、ランドンとの良好な関係を強調しています。

彼女自身が最も好きなエピソードは、第一シーズンの「わたしの母さん」であり、撮影を楽しみにしていたのは、第二シーズンの「母さんの傷」や第四シーズンの「メアリーの悩み」だったそうです。

その他の出演作品

『大草原の小さな家』以外にも、グラッスルは数多くの映画やテレビドラマに出演しています。

ワイアット・アープ（サザーランド夫人）
コカイン／戦慄の罠
マルサ帝国をぶっとばせ!
パニック・イン・エアポート

また、1980年頃には、不二家のカントリーマアムのCMにも出演していました。

私生活

グラッスルは、過去に3度の結婚を経験しています。最初の夫は俳優のレオン・ラッソム、2番目の夫は不動産屋のJ・アレン・ラッドフォード、3番目の夫は医者のスコット・T・サザーランドでした。ラッドフォードとの間には、リリー・ラッドフォードという養子がいます。2000年にサザーランドと離婚してからは、独身を貫いています。

カレン・グラッスルは、『大草原の小さな家』の温かい母親役で多くの人々に愛されただけでなく、女権運動にも積極的に参加し、社会に貢献してきました。彼女の波乱万丈な人生は、多くの人々に勇気を与え続けています。

外部リンク

公式ウェブサイト
カレン・グラッスル - IMDb（英語）
カレン・グラッスル - インターネット・ブロードウェイ・データベース（英語）
カレン・グラッスル - Internet Off-Broadway Database
* The Carolyn Jackson Collection, No.52-Interview with Karen Grassle from the Texas Archive of the Moving Image

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