カロニア (客船・初代)

カロニア（RMS Caronia）

カロニアは、キュナード・ラインが所有していた著名な客船です。ジョン・ブラウン・アンド・カンパニーによって建造され、1904年7月13日に進水しました。その優美な姿と優れた航海性能は、当時の大西洋航路において一際目立つ存在でした。

初期の航海と第一次世界大戦

1905年2月25日、カロニアはリヴァプール - ニューヨーク間の処女航海を成功させ、その後の数年間、地中海とニューヨークを結ぶ主要な航路を担当しました。しかし、1914年にボストンへ移動した直後、第一次世界大戦が勃発し、カロニアは軍の輸送船として徴用されることとなりました。この間、多くの兵士や物資を運び、戦時中の重要な役割を果たしました。

戦後の変遷

大戦終結後、カロニアは再び通常の客船としての運航に戻りました。1920年には大規模な改装工事が行われ、それまでの石炭燃料から重油専焼へと変更されました。この改装により、カロニアの航行効率が大幅に向上し、より長距離の航海が可能になりました。

改装後、カロニアは様々な航路を転々としました。その変遷は以下の通りです。

ニューヨークまたはボストン - リヴァプール
ニューヨーク - ロンドン
ニューヨーク - ハンブルク（1922年）
ケベック - リヴァプール（1924年）
ニューヨーク - ハバナ

この間、カロニアは数多くの乗客を運び、大西洋横断航路の重要な一翼を担い続けました。特に、豪華な内装と快適な船旅は多くの人々に愛されました。

最後の航海とその後

カロニアの最後の航海は、1932年9月12日のロンドン - ニューヨーク間でした。その後、カロニアは改名され、「大西洋丸」として新たな役割を担うことになります。そして、日本の大阪へと航海しましたが、翌1933年にはスクラップとして解体され、その長い歴史に幕を閉じました。

参考文献

Haws' Merchant Fleets
* Bonsor's North Atlantic Seaway

カロニアは、その生涯を通じて数多くの人々に愛され、大西洋航路における重要な役割を果たしました。その壮大な歴史は、今もなお多くの人々の心に刻まれています。

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