カロリーネ・フォン・バーデン

カロリーネ・フォン・バーデンの生涯

カロリーネ・フォン・バーデン（1776年1月13日 - 1841年11月13日）は、ドイツのバイエルン王マクシミリアン1世の2度目の妻であり、最初のバイエルン王妃として知られています。彼女の生涯は、当時の政治的背景と個人的な信仰が強く影響を及ぼしたものといえるでしょう。

幼少期と家族背景

カロリーネはバーデン辺境伯カール・ルートヴィヒとアマーリエの第一子として、カールスルーエで生まれました。彼女の全名はフリーデリケ・カロリーネ・ヴィルヘルミーネで、双子の姉妹であるカタリーナ・アマーリエを持つほか、ロシア皇后エリザヴェータやスウェーデン王妃フリーデリケといった名門の血を引く家系に生まれました。彼女は、アンギャン公爵との婚約の可能性がありましたが、政治的な理由から結局その話は流れました。

結婚と王妃としての役割

1797年、カロリーネは母の従弟であるプファルツ＝ツヴァイブリュッケン公マクシミリアンと結婚しました。彼女の夫マクシミリアンは1799年にバイエルン選帝侯の位を継承し、1806年に神聖ローマ帝国が消滅するとともに王位に昇格しました。これによりカロリーネはバイエルン王妃となり、7人の子供を育てました。この中には2組の双子も含まれています。

王妃としての信仰

カロリーネは、プロテスタント信仰を持つ王妃として特異な立場にありました。カトリック国であるバイエルンにおいて、彼女は自らの信仰を守り、専属のプロテスタントの牧師を持つことが許可されていました。彼女はバイエルン宮廷において威厳を保ちながらも、強い義務感を持って子どもたちを育てる姿が評価されました。

妻としての悲劇と葬儀

カロリーネは、1825年に夫マクシミリアンが亡くなった後も16年間過ごし、1841年に逝去しました。彼女の葬儀は、そのプロテスタント信仰によって物議を醸しました。カトリックの聖職者は教会の祭服ではなく普通の服装で参加し、プロテスタントの聖職者に至っては教会の外で止められ、葬儀の説教をすることすら許されなかったのです。その結果、彼女の葬列は控えめなもので、王家の尊厳を感じさせないような形式で行われました。これは、バイエルン王ルートヴィヒ1世にとっても大きな衝撃であり、彼の信仰観にも変化をもたらしました。

子女

カロリーネとマクシミリアンの間には8人の子供が誕生しました。彼らの中には、プロイセン王妃やザクセン王妃、オーストリア皇后となる者が含まれ、カロリーネの血筋が続いてゆくことになります。特に、エリーザベト・ルドヴィカやマリア・アンナ・レオポルディーネは、彼女の子供たちの中でも重要な役割を果たしました。

カロリーネ・フォン・バーデンの生涯は、当時の政治的情勢の中での個人の信念と、その信念がどのように歴史に影響を及ぼしたのかを示す良い例です。彼女はバイエルン王国の初代王妃として、独自の信仰を持ちながらも多くの子女を育て、王国の発展に寄与した重要な人物でした。

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