カワサキ・ニンジャ400R

カワサキNinjaシリーズと関連車種：歴史とモデル解説

カワサキは、長年にわたりNinjaシリーズとして人気を博すモーターサイクルを製造しています。本稿では、Ninja 400Rとその派生車種であるNinja 400、ER-4n、そして排気量の異なるNinja 650やZ650、更には海外仕様のERシリーズについて、その歴史と特徴を詳細に解説します。

Ninja 400R (初代)

2010年8月、カワサキはNinja 400Rを発売しました。タイカワサキで生産されたこのモデルは、Ninja 650Rのエンジンを小型化したもので、日本の普通自動二輪車の排気量規制に適合しています。車体設計はNinja 650Rと共通性が高く、同年11月にはABS搭載モデルも追加されました。

Ninja 400 (2代目)

2013年12月、Ninja 400の2代目が登場しました。車体は2011年モデルのNinja 650と共通化され、改良が加えられたエンジンを搭載。スペック上は初代Ninja 400Rと同一ですが、改良により性能向上を実現しています。

Ninja 400 (3代目)

2018年2月発売の3代目Ninja 400は、先代モデルとは大きく異なるスタイリングが特徴です。ツアラー風のスタイルから、よりスポーティなSS風のデザインへと変貌を遂げました。Ninja 250と同時開発され、基本構造を共有する一方、タイヤサイズ（400はラジアル、250はバイアス）やフロントブレーキ（400はシングルディスク、250は異なる仕様）などに違いが見られます。

ER-4n

Ninja 400Rと同時に2010年8月に発売されたER-4nは、海外仕様のER-6nをベースに、国内仕様へ適合させたモデルです。Ninja 400Rと比較して、サイドカウルが省略され、ヘッドライトやメーター周りのデザインも異なっています。ABSモデルも同時発売されましたが、2013年モデルをもって生産終了となりました。

ER-6n

ER-5の後継モデルとして2006年に海外で発表されたER-6nは、環境規制に対応した水冷4バルブ180度クランク2気筒649ccエンジンを搭載し、最大出力71psを達成しました。特徴的なダウンマフラーを採用し、スチールパイプのトレリスフレームや、後輪サスペンションのデザインなどが挙げられます。2009年と2011年にはモデルチェンジを行い、フレーム構造の変更やデザインの洗練化が図られました。生産は日本からタイカワサキに移管されました。

Z650

2016年に発表されたZ650は、ER-6nのフルモデルチェンジ版です。1976年以来となる車名復活で、2017年5月には日本向けにZ650 ABS（同年8月よりZ650に名称変更）が発売されました。

ER-6f/Ninja 650

2006年に海外で発表されたER-6fは、ER-6nと共通のエンジンと車体構造を持つ一方で、フルカウルを採用したツアラータイプのモデルです。北米ではNinja 650R、2012年以降はNinja 650として販売されました。2009年と2011年にはER-6nと同様にモデルチェンジが行われています。2016年モデルからは欧州でもNinja 650と名称が統一され、日本でも2017年5月にNinja 650 ABS（同年8月よりNinja 650に名称変更）が発売されました。

ER-5

1997年発表のER-5は、欧州向けのエントリーモデルとして位置付けられていました。バリオスの強化版フレームとサスペンションに、GPZ500Sの水冷並列2気筒エンジンを搭載していました。長期間にわたって生産されましたが、環境規制に対応できず、ER-6シリーズにバトンタッチする形で生産終了となりました。

まとめ

カワサキのNinjaシリーズと関連車種は、時代とともに進化を続け、多様なニーズに対応するモデルを展開してきました。それぞれのモデルには、独自の技術とデザイン思想が反映されており、長きにわたる歴史と技術革新の証となっています。

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