カワサキ・CS250

カワサキCS250：気軽さを追求した250ccスポーツバイク

カワサキCS250は、1985年に川崎重工業（当時二輪車製造事業部、現カワサキモータース）から発売された、249cc排気量のオートバイです。モデル名CSは「カジュアルスポーツ」を意味し、その名の通り、気軽に楽しめることを目指した設計がなされています。

CS250は、1980年代初頭に人気を博したZ250FSの事実上の後継モデルとして登場しました。しかし、レーサーレプリカが全盛だった当時とは異なり、CS250はカウルを廃したシンプルなデザインを採用。軽量化を追求し、車両重量はわずか118kgに抑えられています。この軽さは、取り回しやすさや扱いやすさにつながり、特に女性ライダーからの支持を集めました。

心臓部には、同社のKLR250と共通の水冷DOHC4サイクル4バルブ単気筒エンジンを搭載。ただし、CS250向けにセッティングを最適化することで、最高出力34psというパワフルな走りを実現しています。ダブルクレードルタイプの丸パイプフレームを採用し、軽快なハンドリングも特徴です。

しかしながら、その販売台数は期待を下回りました。レーサーレプリカ全盛期の市場において、CS250のシンプルなデザインと気軽に乗れるというコンセプトは、一部のライダーのみに受け入れられたと言えるでしょう。

それでも、CS250はその後も独自の活躍の場を見つけます。その軽量さと高い出力から、バイク便などの業務用車両として重宝されたのです。

CS250には、直系の後継モデルは存在しません。しかし、そのコンセプトは後年のカワサキ車にも受け継がれています。空冷単気筒エンジンを搭載したエストレヤは、CS250の精神を彷彿とさせるモデルと言えるでしょう。また、2014年には、CS250と同じ機構を進化させたエンジンを搭載するニンジャ250SLとZ250SLが発表され、CS250の技術が現代のモデルにも活かされていることが分かります。

CS250は、販売台数こそ伸びませんでしたが、その軽快な走りと扱いやすさ、そして独自の個性から、多くのライダーに愛された一台と言えるでしょう。レーサーレプリカ全盛期という時代背景の中で、独自の道を歩んだ、カワサキの隠れた名車と言えるのではないでしょうか。 気軽に楽しめるオートバイを求めるライダーにとって、CS250は今もなお魅力的な存在であり続けています。そのシンプルで軽量なデザイン、そしてパワフルなエンジンは、多くのライダーに忘れがたい印象を残しているはずです。 CS250の歴史は、カワサキの技術革新と市場への対応、そして時代背景を読み解く上で貴重な資料となります。

関連情報として、BBB The History 時代を彩ったバイクたち カワサキ CS250（BR250A）や、Webike（ウェビック） - 車種別カタログ - カワサキ CS250総合情報（1982年式 CS250記載）なども参考になります。これらの情報から、CS250の更なる魅力や詳細を知ることが出来るでしょう。

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