カワサキ・KLR650

カワサキKLR650：ロングセラーアドベンチャーバイクの系譜

カワサキKLR650は、川崎重工業が1987年から製造・販売する、651cc排気量の4ストロークエンジンを搭載した大型デュアルパーパスバイクです。発売以来、世界中のアドベンチャーライダーから長く愛され続ける人気モデルとなっています。

KLR650の系譜：長く愛される理由

KLR650の最大の魅力は、その耐久性と信頼性にあります。1987年の発売以来、2007年モデルまではボディカラー以外の大きな変更はほとんどなく、長期間にわたって同一モデルが販売され続けました。この長い販売期間は、豊富なアフターマーケットパーツの存在、そして比較的安価な価格というアドバンテージを生み出し、多くのライダーに支持される要因となりました。

しかし、2008年には大幅な設計変更が行われ、新型KLR650が登場しました。このモデルチェンジによって、KLR650はより現代的なバイクへと進化を遂げました。

各モデルの特徴：KL650AからKL650Eまで

KLR650シリーズには、いくつかのモデルが存在します。それぞれの特徴を簡単に見ていきましょう。

KL650A (1987年～2007年): KLR650シリーズの初代モデルであり、長寿モデルとして知られています。1987年から2007年まで生産され続け、長期間にわたる販売により、多くのライダーに親しまれ、豊富なアフターマーケットパーツが流通しています。1996年にはトランスミッションの大幅な設計変更が行われたため、それ以前と以降のモデルでは部品構成が大きく異なります。1987年から1988年には日本国内でも販売されていました。
KL650B (1989年～1992年): 「天涯」の愛称で知られるKL650Aの派生モデル。フルカウル、2ポットフロントブレーキ、専用サスペンション、変更されたギア比などを採用。イタリアのスタジオでデザインされたとされ、イタリア車のようなシルエットが特徴です。また、欧州市場向けには排気量を497ccに抑えたKL500Bも存在しました。
KL650C: ツアラーモデルとは異なる、オフロード走行に特化したデザインが特徴です。14Lと他のモデルよりも小さな燃料タンクを採用しており、航続距離を犠牲にして走破性を重視した設計となっています。欧州市場向けに販売されており、北米市場ではKL650Aが販売されていました。
KL650E (2008年～): KL650Aのフルモデルチェンジ版。フルカウル、前後2ポットブレーキ、大型リヤキャリア、Ninjaシリーズと同形のヘッドライトなどを採用。タイのカワサキ工場で生産され、北米、中南米、オーストラリア、マレーシアなどに輸出されています。欧州市場への販売はありません。

北米仕様とカリフォルニア仕様

北米市場向けには、49-State Spec.(US)とCalifornia Spec.(CA)の2種類の仕様が存在します。カリフォルニア州の厳しい排ガス規制に対応するため、California Spec.(CA)にはキャニスターという排ガス浄化装置が装備されています。型式名にも違いがあり、California Spec.(CA)には型式の末尾に「L」が付きます。

米軍採用モデル：M1030

KLR650をベースに開発されたM1030は、アメリカ軍に採用されているモデルです。KLR650とは大きく異なる点として、ディーゼルエンジンを搭載していることが挙げられます。

まとめ

KLR650は、その高い信頼性と耐久性、そして豊富なカスタムパーツによって、長年にわたって世界中のライダーから支持されてきたモデルです。各モデルの個性も魅力の一つであり、ライダーのニーズに合わせて選ぶことができます。アドベンチャーバイクに興味がある方は、ぜひKLR650を検討してみてください。

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