カワサキ・Z400GP

カワサキ Z400GP：Z400FXを受け継ぐスタイリッシュな名車

カワサキZ400GPは、1982年に川崎重工業（現・カワサキモータースジャパン）から発売された、普通自動二輪免許で運転できるオートバイです。人気を博したZ400FXの後継機種として登場し、洗練されたデザインと向上した性能で多くのライダーを魅了しました。

Z400FXからの進化：デザインと性能

Z400GPは、Z400FXをベースに、エンジン、足回り、そして車体デザインが大幅に改良されています。まず目を引くのは、そのスタイリングです。Z400FXの直線基調のデザインを踏襲しつつも、より丸みを帯びたフォルムを採用し、滑らかな一体感を生み出しています。タンクからサイドカバー、テールカウルへと流れるようなラインは、Z400FXとは異なる、より洗練された印象を与えます。

エンジンは、Z400FXから5馬力アップの48馬力にパワーアップ。同時に、車体重量も13kgの軽量化を実現しています。これにより、より軽快な走りと高い運動性能が得られました。足回りには、モノショック方式のスイングアーム「ユニトラックシステム」を採用し、走行安定性を向上させています。

また、ヘッドライトは丸型から角型に変更され、ブラッククロムメッキの排気管、ジュラルミン鍛造のセパレートハンドルなど、精悍な印象を強調する装備が採用されています。メーターにはマイコン制御の液晶モニターを採用するなど、当時の最新技術も惜しみなく投入されています。

カワサキワークスカラーであるライムグリーンの車体と段付きシートは、Z1000R（ローソンレプリカ）を彷彿とさせ、スポーティな雰囲気を高めています。

エンジンと車体：細部へのこだわり

Z400GPに搭載されているエンジンは「KZ400EE」型空冷4ストローク並列2気筒です。先代モデルのZ400FXとボア・ストロークは共通ですが、後継モデルのGPz400やゼファー400とは異なります。この違いは、エンジンの特性や出力特性に影響を与えていると考えられます。

Z400GPのサイドカバーには「GPz400」と記載されている点が特徴的です。これは、後継機種であるGPz400と混同されやすい点ですが、車種名に関する法則では、「GPz」は水冷エンジン、「GPz」の小文字「z」は空冷エンジンを表しています。Z400GPは空冷エンジン搭載モデルであるため、「GPz400」表記は、やや紛らわしいものの、間違いではありません。

短い歴史：後継モデルへのバトンタッチ

Z400GPは、発売翌年の1983年に後継モデルであるGPz400の登場に伴い、生産を終了しました。短い歴史でしたが、そのスタイリッシュなデザインと高い性能は、多くのライダーに愛され、現在でも根強い人気を誇る名車となっています。中古市場でも人気が高く、良好なコンディションの車両は高値で取引される場合もあります。Z400GPは、カワサキの歴史において重要なモデルの一つであり、日本のオートバイ史においても特筆すべき存在と言えるでしょう。

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