カワサキ・Z900

カワサキZ900：ミドルクラスの頂点を目指す高性能バイク

カワサキモータース製のZ900は、同社が誇るZシリーズに属する大型二輪車です。Z750やZ800の後継モデルとしてではなく、上位モデルであるZ1000をベースに、より扱いやすく、価格を抑えたモデルとして開発されました。2016年11月、イタリア・ミラノで開催された国際モーターサイクルショーで初公開され、日本市場には2018年3月1日に導入されました。

Z900の開発コンセプトは、Z1000のパワーと走りを継承しつつ、扱いやすさとコストパフォーマンスを高めることにありました。そのため、Z1000の排気量1043ccから、ボアサイズを縮小することで、948ccに抑えられています。この排気量の変更により、最高出力はZ1000の141PSから125PSへと低下していますが、車両重量も220kgから210kgへと軽量化され、取り回しやすさが向上しています。価格についても、Z1000の約115万円に対し、Z900は約95万円と、約20万円の価格差が設定され、明確な差別化が図られています。

シャシー面では、Z800で採用されていたバックボーン式フレームから、より剛性が高く、スポーティな走りを可能にするトレリスフレームへと変更されています。また、フロントサスペンションには、高性能な倒立フォークが採用され、優れた操縦安定性と快適な乗り心地を実現しています。ブレーキシステムは、ハイエンドモデルで採用されるラジアルマウントキャリパーではなく、アキシャルマウントキャリパーとなっていますが、十分な制動力を提供します。

灯火類は、派生モデルであるRSやCAFEとは異なり、一般的な電球式を採用していますが、テールランプにはLEDが使用され、特徴的なZデザインが採用されています。安全面においては、先代のZ800ではABSの有無が仕向け地によって異なっていましたが、Z900ではすべてのモデルにABSが標準装備となり、安全性向上に貢献しています。

生産拠点としては、タイと日本が挙げられますが、世界各国への輸出はタイ工場から行われています。Z900は、ミドルクラススポーツネイキッドとして高い人気を博しており、その扱いやすさとコストパフォーマンスの高さ、そしてスポーティなデザインと走りのバランスが、多くのライダーを魅了しています。カワサキの技術とデザインが凝縮された、魅力的な一台と言えるでしょう。

主な特徴

948cc 水冷並列4気筒エンジン
軽快なハンドリングを実現するトレリスフレーム
高性能な倒立フロントフォーク
ABS標準装備
スタイリッシュなLEDテールランプ
コストパフォーマンスに優れた価格設定

関連車種

Z250
Ninja 1000 (ニンジャ1000)

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