カワサキ・ZZR400

カワサキZZR400：400ccクラスのフルカウルツアラーの傑作

カワサキZZR400は、1990年から2006年まで製造販売されていたオートバイです。600ccモデルであるZZR600のエンジンをベースに排気量を400ccにダウンサイジングし、車体構成の大部分を共有することで、400ccクラスとは思えない大型車並みの車格を実現しました。

圧倒的な存在感と走行性能

ZZR400は、その堂々とした車体から想像もつかない軽快なハンドリングと、高速道路での安定した走行性能を両立させています。400ccクラスながら、大型バイク並みの剛性を持つフレームと、余裕のあるサスペンションにより、長距離ツーリングや高速走行でもライダーへの負担を軽減。力強いエンジンは、同クラスのバイクを圧倒する加速性能を発揮します。

雑誌等では、大柄な車体を軽々と操る力強いエンジンと評されることもありましたが、ベースとなった600ccモデルと比較するとパワー不足感は否めません。しかし、同クラスのバイクと比較すれば、決して見劣りするものではありません。むしろ、剛性の高いフレームによる安定性は、長距離ツーリングや高速走行での快適性に大きく貢献しています。ZZR400の比較対象となる大型バイクは、ZZR400をはるかに凌駕する高出力を誇りますが、ZZR400はそれを補って余りある安定性と快適性を持っていました。

快適性と実用性の高い装備

ZZR400の空力特性に優れたフルカウルは、高速走行時の風圧を効果的に軽減し、ライダーの疲労を軽減するだけでなく、防寒対策にも貢献しています。また、充実した装備により、積載性にも優れ、ツーリングでの利便性を高めています。

モデルチェンジと生産終了

ZZR400は、1993年と2001年にモデルチェンジを行い、馬力規制や排ガス規制に対応してきました。これらのモデルチェンジを通して、性能向上だけでなく、快適性や利便性も向上させています。

2006年、追加カラーのみの販売をもって、新車販売は終了しました。400ccクラスでは唯一のフルカウルモデルという地位を確立していたZZR400の生産終了は、多くのライダーに惜しまれました。その後、2010年にER-6fをベースにしたNinja400Rが発売されるまで、カワサキの400ccクラスのNinjaモデルは姿を消すこととなります。

主要諸元

最高速度：時速190km（速度リミッター作動）
最大エンジン回転数：14,000rpm

モデルバリエーション

ZZR400は、1990年から2007年までの間に、ZX400-K1からZX400-N6Sまで、多数のモデルが製造されました。各モデルでは、排ガス規制への対応やマイナーチェンジによる性能向上、カラーリング変更などが行われています。

まとめ

ZZR400は、400ccクラスでありながら、大型バイク並みの車格と安定性、そして快適な走行性能を兼ね備えた、稀有な存在でした。その高い完成度と個性的なスタイルは、多くのライダーを魅了し続け、現在でも根強い人気を誇っています。生産終了から年数が経過しているものの、中古市場でも高い人気を保ち、現在も多くの愛好家に乗り継がれています。その高い完成度と、今でも色褪せないデザインは、多くのライダーに愛され続けています。

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