カンポ・リーグレ

イタリア共和国北西部、風光明媚なリグーリア州のジェノヴァ県に、カンポ・リーグレ（Campo Ligure）というコムーネがあります。県の西部に位置し、約2,800人の住民が暮らすこの基礎自治体は、豊かな自然景観と歴史的な魅力を兼ね備えています。特に、繊細な金属線細工であるフィリグラーナの伝統技術が今に受け継がれていることで知られ、さらに「イタリアの最も美しい村」の一つにも数えられるなど、国内外から注目を集めています。

カンポ・リーグレはジェノヴァ県の西側内陸部に位置し、周囲は丘陵地帯や山々に囲まれています。隣接する自治体は、ピエモンテ州アレッサンドリア県のボージオをはじめ、ジェノヴァ県内のマゾーネ、ロッシリオーネ、ティリエートです。イタリア国内の地震リスク分類においては、リスク階級3に指定されており、これは中程度の地震リスクを有する地域とされています。

基礎自治体として、カンポ・リーグレは中心市街地だけでなく、いくつかの分離集落（フラツィオーネ）を含んでいます。主な分離集落としては、Testana、Vexina、Saltoが挙げられます。これらの集落もまた、コムーネの多様な景観やコミュニティを形成する重要な要素です。

この町の文化において最も特筆すべきは、フィリグラーナの伝統です。フィリグラーナとは、極細の金属線（多くは銀や金）を巧みに撚り合わせ、透かし彫りのような繊細な模様を作り出す装飾技法です。特に宝飾品が多く制作されており、その精緻な美しさは見る者を魅了します。カンポ・リーグレは長年にわたりこの技術の中心地であり、現在も熟練の職人がその技を守り続けています。町にはフィリグラーナに関する施設や工房があり、この伝統工芸の歴史や制作過程について学ぶことができます。

カンポ・リーグレの歴史的な中心部には、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世広場があります。この広場は町の集いの場として栄え、現在も人々の交流の場となっています。広場周辺には歴史的な建物が並び、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

また、カンポ・リーグレは「イタリアの最も美しい村（I Borghi più belli d'Italia）」クラブの加盟自治体です。これは、歴史的景観、芸術的価値、文化遺産、環境保護への取り組みなどが高く評価された証であり、イタリアでも特に美しい村として認められています。石畳の通り、色彩豊かな建物、そして周囲の自然が織りなす景観は、まさに絵のように美しく、「最も美しい村」の名にふさわしい魅力を放っています。この認定は、カンポ・リーグレが質の高い観光体験を提供できる場所であることを示しています。

国際的な交流も行われており、2010年にはフランスのアベール地方にあるコルベラン（Corbelin）市と姉妹都市提携を結びました。この提携を通じて、両自治体は文化や青少年の交流などを深めています。

カンポ・リーグレは、フィリグラーナの輝き、「最も美しい村」としての静謐な美しさ、そして豊かな歴史が融合した魅力的なコムーネです。伝統工芸に触れ、美しい街並みを散策し、リグーリア州の隠れた宝石とも言えるこの町の魅力を体験することは、きっと忘れられない思い出となるでしょう。

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