カール・エリアスベルク

カール・イリイチ・エリアスベルク（1907年6月10日 - 1978年2月12日）は、ロシア（現ベラルーシ）のミンスク出身の指揮者です。

生涯

エリアスベルクは、音楽家としてのキャリアをヴァイオリニストとしてスタートさせました。ハリコフ音楽院でヨアヒム・ゴルトベルクに師事し、ヴァイオリンを学んだ後、レニングラード音楽院に進学。1929年にヴァイオリン科を卒業しました。

卒業後、エリアスベルクは指揮者としての道を歩み始めます。1931年までレニングラードのコミック劇場で活動した後、1932年にレニングラード放送交響楽団の指揮者陣に加わりました。1937年から1950年までの間、彼は同楽団の首席指揮者を務め、その才能を発揮しました。

エリアスベルクの名を不朽のものとしたのは、第二次世界大戦中のレニングラード包囲戦におけるショスタコーヴィチの交響曲第7番の演奏です。1942年、極限状態にあったレニングラードで、エリアスベルクは市民を鼓舞するため、この大曲を演奏しました。この演奏は、ラジオを通じてソ連全土に放送され、人々に大きな希望を与えたと言われています。戦後、その功績が認められ、1944年にソ連政府から功労芸術家の称号を授与されました。

レニングラード放送交響楽団を辞任してからは、フリーランスの指揮者として活動を続けました。しかし、その才能にも関わらず、ソ連国内での評価は必ずしも高くはなく、不遇の時代を過ごしたとも言われています。

1978年、エリアスベルクはレニングラードで生涯を閉じました。彼の死後、レニングラード包囲戦におけるショスタコーヴィチ交響曲第7番の演奏という偉業が再評価され、その名声は高まりました。エリアスベルクは、音楽の力で人々に希望を与えた指揮者として、記憶されています。

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