カール・ハインツ・シュナイダー

概要

『キャプテン翼』の物語に登場する、ドイツを代表する架空のサッカー選手。金髪碧眼のフォワード（FW）で、血液型はO型。「ドイツの若き皇帝」「ミスター・ヨーロッパ」という異名を持ち、その実力と存在感から作品世界におけるトッププレーヤーの一人として描かれています。

人物像とプレースタイル

冷静で現実的な性格を持つ一方、元有名サッカー選手である父ルディの教えを受け、自身の活躍によって父への批判を覆したいと願う家庭思いな一面も持ち合わせています。グラウンド上では、主人公・大空翼が持つ卓越したテクニックと、日本が誇るストライカー・日向小次郎のようなパワフルさを兼ね備えた万能型のプレーヤーとして知られています。フォワードとしての得点能力はもちろんのこと、ミッドフィールダーやディフェンダーとしても超一流の能力を持つと、その才能は高く評価されています。西ドイツ及び統一ドイツのユース・フル代表でキャプテンを任され、チームを牽引。特に若林源三とは、ドイツにおける盟友であり、同時に互いを高め合う最大のライバルとして、長期にわたって特別な関係を築き上げました。

経歴と主な活躍

ハンブルガーSVジュニアユース時代

幼い頃から父の手ほどきを受けてサッカーの才能を開花させ、ハンブルガーSVジュニアユースではチームを西ドイツおよびヨーロッパNo.1へと導きました。父がかつて所属チームの監督代行を務めていた際に選手との間にトラブルを起こし解雇された過去があり、そのことで父が心ない言葉を浴びせられるのを目の当たりにした経験から、自らのサッカーで父の汚名を晴らしたいと強く願っていました。チームメイトとなった若林源三に対しては、彼の能力を高く評価し、チームに必要な戦力と見なして個人的な練習に付き合うなど、非常に現実的な判断基準を持っていました。全日本との親善試合では圧倒的な実力を見せつけ、5得点を挙げて日本のGK若島津を負傷退場させるなど、日向をも凌駕するストライカーとしてのレベルの違いをまざまざと示しました。

国際ジュニアユース大会からプロへ

西ドイツジュニアユースのキャプテンとして参加した第1回国際ジュニアユース大会では、準決勝までの全試合でハットトリックを達成するなど驚異的な決定力でチームを決勝に導きます。決勝の日本戦では、劣勢にも関わらず冷静さを失わず、動揺する監督を諭し、格下と見られていた日本の強さを認めつつもチームを鼓舞するリーダーシップを発揮しました。この試合は2得点に終わったものの、大会得点王に輝き、日本対西ドイツの決勝戦は作品中でも伝説的な名勝負として語り継がれています。大会後、わずか15歳という若さでドイツの名門バイエルン・ミュンヘンでのプロデビューを果たしました。ハンブルグ時代は背番号10でしたが、代表チームとバイエルンでは11番を着用し、この番号がシュナイダーのトレードマークとなりました。

ワールドユース以降の戦い

ワールドユース編では、父ルディが率いる統一ドイツ代表のキャプテンとして参戦。予選リーグで苦戦を強いられ、決勝トーナメントでも勝ち進むものの、自身や守備の要ミューラーの負傷が響き、準決勝でブラジルに大敗を喫しました。しかし、この経験を経て人間的に成長し、他国の選手にも目を向けたり、選手間のトラブルを仲裁したりする姿を見せるようになります。

『ROAD TO 2002』では、若林にバイエルン入団を強く勧めるなど、盟友としての関係性が描かれます。ブンデスリーガで古巣ハンブルガーSVと対戦した際には、相手チームの消極的な戦術に失望し、一時的に若林や幼馴染のカルツとの間にわだかまりが生じますが、最終的には和解。この試合では、若林の裏をかくセンターライン付近からの大胆なロングシュートを決めるなど、その得点センスを見せつけました。

『ライジングサン』編では、マドリードオリンピックにドイツ代表として出場。予選リーグのブラジル戦では、相手が主力を温存する中、一切手を緩めず猛攻を仕掛け、ハットトリックを含む4得点を挙げる活躍で引き分けに貢献しました。決勝トーナメント初戦で再び日本と対戦し、激しい点の取り合いの末に敗退。この日本戦の前には、若林のバイエルン移籍を巡るユニークな賭け（敗者がPPAPの裸踊り動画を撮る）をしており、結果的にシュナイダーがその約束を果たすことになりますが、若林は試合結果に関わらずバイエルンへの移籍を決意しています。

得意技

シュナイダーの最も代表的な必殺技は、強烈な弾丸シュート「ファイヤーショット」です。「ファイヤー！」の掛け声と共に放たれるこのシュートは、その威力から若島津の腕を負傷させ、ゴールネットを焦がすかのような描写から名付けられました。この技には様々な強化版や派生技が存在します。左足でカーブをかけて相手を幻惑する「ノンファイヤー」、相手を吹き飛ばしながら突破する「直線的ドリブル（ごういんなドリブル、カイザードリブル）」、バウンド後に加速する「トップスピンシュート」なども彼の得意技です。ゲーム版においては、「ネオ・ファイヤーショット」や、さらに強力な「フレイムフラッシュ」、相手の必殺シュートを跳ね返す「カウンターシュート」、相手選手を文字通り吹き飛ばす「エンペラータックル（カイザーチャージ）」など、数多くの強力なオリジナル技を習得しています。劇場版に登場する、ボールが七色に分かれて見える「ミラージュボール」も、若林を打ち破るために開発されたシュートとして印象深い技です。

その他

アニメシリーズや劇場版では、原作とは異なる設定や活躍が描かれることもあります。特に劇場版では主要キャラクターとして活躍し、若林をライバル視する姿勢や、彼を倒すために新たな必殺シュートを開発するストーリーが展開されました。様々なゲーム作品にも登場し、その多くで最強クラスの選手として描かれています。

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