カール1世 (リヒテンシュタイン公)

カール1世：リヒテンシュタイン侯爵家の礎を築いた初代侯

カール1世（1569年7月30日 - 1627年2月12日）は、リヒテンシュタイン侯爵（在位：1608年 - 1627年）であり、同侯爵家の初代侯として知られています。彼は、男爵に相当する下級領主貴族の家門に生まれ、その生涯を通じて政治、宗教、文化の各方面で大きな影響力を行使しました。

生涯と業績

モラヴィアのヴァルチツェで生まれたカール1世は、1599年にプロテスタントからカトリックに改宗。この改宗が、彼の後のキャリアに大きな影響を与えました。ウィーンでハプスブルク家の皇帝ルドルフ2世に取り立てられ、枢密顧問官、宮内長官などの要職を歴任し、ウィーン司教クレースルと並ぶ実力者として頭角を現します。

また、カール1世は美術品収集家としても知られており、そのコレクションは後のリヒテンシュタイン家を特徴づける文化的な要素となりました。主君であるルドルフ2世の影響を受け、美術品収集に情熱を注いだと言われています。

ルドルフ2世とその弟マティアスとの間で権力争いが起こると、カール1世はマティアス側につきました。その結果、1608年にマティアスから侯爵の位を与えられ、これが今日のリヒテンシュタイン侯爵家の創始となりました。この叙爵は、リヒテンシュタイン家にとって大きな転換点となり、彼らの地位と権力を確立する上で重要な役割を果たしました。

白山の戦いでは、皇帝フェルディナント2世を支持し、ボヘミアのプロテスタント貴族たちの処刑を主導しました。この出来事は、当時の宗教的、政治的な対立を象徴するものであり、カール1世の政治的な立場を明確に示すものでした。1622年には、金羊毛騎士団の一員に叙任されています。

カール1世の時代に、リヒテンシュタイン家はシレジアのトロッパウやイェーゲルンドルフを公領とし、ボヘミアにも領地を獲得しました。これらの領土拡大は、リヒテンシュタイン家の経済力と影響力を高める上で重要な貢献をしました。

1627年、カール1世はプラハで亡くなり、チェコ東部のヴラノフ・ウ・ブルナにあるリヒテンシュタイン家の霊廟に埋葬されました。彼の死後も、リヒテンシュタイン家は彼の築いた基盤の上に発展を続け、ヨーロッパの歴史において重要な役割を果たしました。

プラハのリヒテンシュタイン宮殿

プラハにあるリヒテンシュタイン宮殿は、カール1世が白山の戦いの後に所有し、居住した場所です。この宮殿は、彼の権力と富の象徴であり、現在もその美しい姿を保っています。

関連事項

* レドニツェとヴァルチツェの文化的景観

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