ガガンボ

ガガンボ（大蚊）とは

ガガンボは、双翅目・糸角亜目・ガガンボ科 (Tipulidae) に属する昆虫の一種です。世界中に分布しており、日本でも多くの種類が確認されています。

形態と生態

成虫は蚊を一回り大きくしたような外見をしていますが、蚊とは異なり、人や動物を刺して吸血することはありません。主な食料は花の蜜です。体は比較的弱く、動きも素早くはありませんが、必要に応じて一時的に素早く飛ぶこともあります。また、光に誘われる性質（走光性）が強く、夜間に屋内に侵入することがあります。

幼虫は完全変態を行い、土中や水中で生活します。土中では植物の根を食べるため、農業分野では害虫として扱われることもあります。例えば、キリウジガガンボはイネの根を食害することが知られています。幼虫は生きた植物だけでなく、枯れた植物も栄養源とします。成虫の寿命は約10日です。

名称の由来と地方名

ガガンボの名前は、「蚊の母」を意味する「カガンボ」がなまったものとされています。日本各地には様々な地方名があり、カトンボやアシナガトンボなどが広く知られています。

天敵

幼虫は寄生バエ類に寄生されることがあります。また、寄生菌である硬化菌の2種が確認されており、蛹は冬虫夏草となる寄生菌に侵されることもあります。成虫は鳥類、スズメバチ、カマキリなどの捕食対象となります。

日本における分布

ガガンボは日本各地に生息しています。ミカドガガンボは本州、四国、九州などに広く分布し、キリウジガガンボやベッコウガガンボは日本全国に生息しています。自然が豊かな場所では、公園や川原など都市部でも見かけることがあります。

ガガンボは、その独特な生態と形態から、様々な研究対象となっています。もし見かけることがあれば、その生態を観察してみてはいかがでしょうか。

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